へずま氏はなぜ、高齢者に攻撃的なのか?

――街頭演説でも、「老人消えろ!」と叫んでいましたが、ネットでは「上の世代が日本を作ったからこそ、今のオレたちがいるんじゃないの?」といった声が挙がっています。どう考えますか?

「うーん、『消えろ!』と言うしかなくて…。というのも、会社だと定年退職で老人は消えていくんですけど、国民全体(社会全体)という括りになると、その仕組みがないので。寿命が尽きるまで消えてくれないんです。確かに、昔に、戦争とか高度経済成長期とか、日本を作り上げたのはすごいと思うんですけど、『じゃあ今、なにしてるんですか?』という感じですね。もう若者に道をゆずって、若者がバンバン経済を回せる世の中にしたいんです」

――具体的に、高齢者にどんな不満がありますか?

「上の世代優先の政治が許せないんです。例えば、コロナワクチンとかも高齢者優先だし、年金も、若い人があんまり貰えないような仕組みなので、そういうところに不満があるんです。もっと若者が活躍できる政策を打ち出したいですね」

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演説中のへずま氏(撮影・集英社オンライン)

――豊島区が「65才以上の一人暮らし世帯の割合」が日本一多いことはご存じでしたか?

「はい知っています。票を入れるのが64%以上年寄りだということも理解した上で、『オレのほかにやる人がいない』から立候補しました。あと、豊島区には3年間住んでますし、自分の嫁も12年間住んでいるので、『豊島区から変えていきたい』という思いも強かったんです。もちろん、年寄りが多いのに『若者向けの政策』を打ち出すのは無謀だと思われるかもしれませんが、オレは勝つためにやっています。

これには必勝法があって、自分がジイちゃんバアちゃんを相手にしたところで、そもそも『へずまりゅう』という名前自体知らない人も多い。その代わり、オレには若者のリスナー (フォロワー)が多いし、認知度も高い。その人たちを味方につければ、勝てると思ったんです。もし仮に、今回当選できなかったとしても、豊島区の若者は選挙に興味を持ってくれますし、上の世代を優遇した政治に不信感を持ってくれるんじゃないかと思ってます」

――高齢者が多い豊島区だから、若者に問題提起をしようと思った?

「はい、そうです。正直去年の10月頃は、選挙に当選しやすい練馬区とかに引っ越そうかと思ってたんですけど、豊島区は老人が多いので、逆にそっちの方がいいかなって。最近は、若者世代もけっこう増えてきた気がしますし」

――若者のために動くと言っていましたが、具体的にどんな政策をするつもりですか?

「まだ具体的にはあんま考えていませんが、とにかく老人世代に、若者の生活をサポートさせるような政策を打ち出したいです。例えば、老人世代の税金だけを20%以上に引き上げることで、若者が税金や年金を払う必要をなくして、経済を回すためにガンガン金を使える世の中にしていきたい。
でも、オレの言う若者の括りは広くて、あくまで10代~40代までの人を意味しています。つまり、それ以上の世代の方にはバンバン税金を払ってもらうことで、若者が経済を回せる世の中にしたいですね」

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豊島区役所(撮影・集英社オンライン)
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――へずまさん的には、現在豊島区が抱えている問題として、何があると思いますか?

「少子化問題ですかね。僕の身の周りでも、産みたくても産めない人ってけっこういるんですよ。実際にTwitterのDMをしてきた人も、『子育て世代の支援をお願いします』って声も多くて。それこそオレ、最近結婚したばかりなんですけど、豊島区には『結婚祝い金』みたいなのもないんですよ。そういう政策が弱いから、子育て世代が引っ越しちゃうのかなって」

――でも、豊島区では「出産育児一時金」として、出生児一人につき42万円が支給されます。具体的な子育て支援のプランは考えていますか?

「すみません、正直そこまで考えていないです。今は街頭演説で、一人でも多くの若者に問題提起をすることしか考えていないので(笑)」

へずま氏が掲げる「若者のための政策」を豊島区民はどうジャッジするのか…投票日は4月23日だ。


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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班