『何かあったら俺に相談してくれ』と声をかけてくれる
地元漁師には自民党支持者が多く、演説にはたくさんの漁師が集まっており、Kさんと漁師仲間だったという男性も、誇らしそうにこう語った。
「私が3年前に体を壊して漁師を引退するまで、Kちゃんとはほぼ毎日顔を会わせていました。Kちゃんは若いうちに結婚していて、子供は2人。代々漁師の家系で、現在は青色の2級船舶に乗って、一人で漁に出て鯛を獲っています。『Kちゃん』と呼ばれて、漁師仲間からも慕われる存在で、『何かあったら俺に相談してくれ』と声をかけてくれる、男気溢れる人です。
雑賀崎の漁師達は『困ったときはお互い助け合おう』という精神で日々仕事をしています。例えば、漁師仲間の船がタンカーにぶつけられたら、他の漁師は仕事を中断して助けに向かうし、逃げたタンカーを追いかけます。漁船のエンジンの調子が悪ければ、他の漁師が手伝いに来てくれるし、台風のときも、みんなで連絡を取り合って助け合います。そんな助け合いの精神が根付いているからこそ、Kちゃんも『俺がなんとかしなきゃ』という思いで犯人に立ち向かったのだと思います」
昨年7月8日、奈良市で参院選の応援演説中の安倍晋三元首相が凶弾に倒れて死亡してから一年も経たずに起こった今回の事件。政治的背景のあるテロなのか、個人的な恨みなのか、単なる愉快犯なのか。再び警備の隙を突かれて凶行を許した警察当局の威信が問われている。
木村容疑者は「弁護士が来てから話します」と動機を黙秘し、実家の兄は集英社オンライン編集部ニュース班の電話取材に「何もわかりませんし何も話せません」とだけ答えた。
過去の家庭間のトラブルや思想について質問したが電話は切れてしまった。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班