あの繊細で雅な青柳の味が本当に家で再現できるのか
「おうち懐石」がどんなものかというと、毎月、季節を感じる茶懐石一式(「若蒸しのご飯」「汁」「向付」「煮物」「焼物」「強肴」「小吸物」「八寸」「湯の子と練湯」「香の物」)が冷凍で送られてきます。重箱にでも入ってくるかと思いきや、エコを意識しているのか意外に普通で、ちょっと拍子抜け。
併せて献立の内容、下準備から仕上げまでの調理方法が書かれた小冊子とひと品ごとの料理写真も入ってきます。写真は盛り付けの参考にもなって、とても便利、しかも美しい!
とは言え、あの繊細で雅な青柳の味が本当に家で再現できるのかは甚だ疑問であります。その検証をするべく、早速トライ!
今回は向付の「鯛の昆布〆」、「若蒸しご飯」、「鱧とじゅんさいの煮物椀」、そして焼物は「鱸の油焼き」の4品を作ります。
こちらは最初のひと皿となる「四ツ椀(向付、汁、飯)」のうちのひと品。小冊子に記載されている「仕上げ方」によれば、自然解凍させてから向酢を適量底に垂らして盛り付けるとのこと。
「ん? 自然解凍?」……ここでやっちまったと気づく。今までお取り寄せしたこの手の類は、ほとんどが単純にレンチンや湯煎で調理時間10分以内、それを盛り付ければ完成なのに、やはり「青柳」の味を作るのは容易ではないということか。
幸いまだ温かいものに手を出していなかったのでリカバリーできるはずと、まずは小冊子の下準備と仕上げ方を一読。手順を考え、甘鯛やら吸い地、添え物を解凍してから再スタートすることに。
時間がかかりそうな「焼物」から調理開始。鱸をレンチンで半解凍し、オーブントースターで焼きます。仕上げの焼き目をつける程度なので魚焼き器ではなく、オーブントースターやフライパンでいいとのこと。
その間に鍋で吸い地を温め、鱧とサンド豆をレンチン。具材をお椀に盛り付け、吸い地が熱くなるのを待ちます。
鱸に焼き目がつき、吸い地が温まるのを見計らって半解凍の「若蒸しご飯」をレンチン。全てが整い、いざ実食へ!