清掃業のイメージを変えたい
小休憩を挟んだのちに、キッチンから出てきたふたりが着る作業着が普通のものと少し違うことに気づいた。ちょっとだけオシャレなのだ。そこはかつての合コン芸人、やはりまだモテたい気持ちが残っているのだろうか。
「僕がモテたいというよりは、清掃業のイメージを変えたいと思うことはあります。マッチングアプリに登録している従業員がいて、やりとりの中で清掃業であることを伝えると、途端に返信がこなくなるそうです。だからまずは、作業着からカッコよくしていこうと思って」
オシャレな身なりで黙々と作業を続ける男の背中はカッコイイ。ポリッシャーという洗剤を巻きながらブラシを回転させる機械でフロアの清掃にかかる。決して狭くないフロアを1時間かけて磨き、ここでの作業は終了。スタートから3時間が経過していた。
これを1日多くて3現場、都合9時間もおこなうのだから過酷な肉体労働だ。
「あまり言いたくないですが、年齢を感じますし、かなりキツイですね……。今は従業員も育ってきているので、少しずつ、任せられることも増えてきてますが、それでも12月みたいな繁忙期は毎日3現場行きますので、腰が痛くてたまらない。大変な日々を過ごすうち、自分がルミネやテレビ局に行ってた日々が嘘みたいに思えます」