一部からカリスマ的存在だった「頂き女子りりちゃん」

マッチングアプリで知り合った40代と60代の男性2人に対し、「家賃を滞納していて支払いを終えたら同居できる」などとウソの話をして、合わせて現金1065万円をだまし取った罪に問われている20才の女子大生、家田美空被告(20)の初公判が8月28日、開かれた。家田被告は起訴内容について全面的に認めているが、犯行は「頂き女子りりちゃん」こと、自称・風俗店店員の渡辺麻衣容疑者(25)がつくった独自のマニュアルをもとにおこなったという。

頂き女子りりちゃんこと渡辺容疑者(本人SNSより)
頂き女子りりちゃんこと渡辺容疑者(本人SNSより)
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社会部記者が、家田被告と渡辺容疑者の“関係性”について解説する。

「渡辺容疑者は昨年6月ごろ、家田被告が男性から現金をだまし取る意図があったことを知りながら、2万8千円で頂き女子のマニュアルを有料noteで販売。さらに今年2月には、LINEなどの通話アプリを通して助言もし、家田被告が金をだまし取る詐欺行為を手助けした疑いがある。渡辺容疑者がこのマニュアルを販売した相手は数十人おり、同様の被害がでているほか、本人も複数の男性から多額の現金を騙しとったとみられており、現在も捜査は続いている」

これまで渡辺容疑者は新宿・歌舞伎町を中心に、男性に金を貢がせる「頂き女子」と名乗って活動し、界隈ではカリスマ的存在だったという。

「X(旧Twitter)のフォロワー数は1.3万人。これまでにもX内で『おぢ(ターゲットの男性)から100万引けた~』などの文面とともに、ホストクラブ内での高級ブランデーや札束といった豪遊写真を掲載し炎上している。また、過去に配信者『コレコレ』の動画に出演した際には、これまで『おぢ』からもらった金額は3億円にものぼっていると語っていた」(男性誌記者)

そんな渡辺容疑者が、『りりちゃんの魔法完全攻略マニュアル』と称した「恋愛指南書」マニュアルを配信サービスで売りはじめたのは、2020年のこと。当時から「りりちゃん」を追ってきた、歌舞伎町ウォッチャーの仙頭正教氏がマニュアルの中身について解説する。

「頂き女子」マニュアルを販売していた渡辺容疑者(本人YouTubeより)
「頂き女子」マニュアルを販売していた渡辺容疑者(本人YouTubeより)

「マニュアル自体は45ページにもわたりますが、『おぢ』に貢いでもらうことを『魔法をかける』と表記していたり、『もともと低スぺ(低スペック)だった私でも、ガチ恋客から300万円もらえました!』などの体験談も交えることで、若い女性にも伝わりやすく、『私でも簡単に稼げるかも!』と希望を持たせる内容になっています。マニュアルで重要視されているのは、おもに『リリコミット(信頼関係構築)』『お金を頂くための魔法(会話)』『アフケア(アフターケア)』の3つ。大まかな流れとしては、孤独なおぢの心につけ入り、疑似恋愛でたぶらかし、相手の同情心を買うような事情を切り出して、向こうから『お金を貸してあげようか?』と提案されるのを待つといった感じです」