事件は東京都町田市の横浜線町田駅に直結した複合施設で起きた。週末は音楽ライブや様々なイベントが開催されることも多く、発砲のあった現場付近には、おもちゃの用意された子ども向けの芝生広場や、壁に自由に絵を描くことのできるスペースもある。小さい子どもを連れた家族の利用も多いという。
「19時半頃、『パンパン』と発砲音が聞こえた後に、ちょっと間を置いてまた今度はハッキリと『パン』と聞こえたんです。次の瞬間、わーっとターミナルプラザからたくさんの人が走って逃げるのが見えた。これは只事じゃないと思って警察が到着した後に近づいてみたら、男性が血まみれで横たわっていました。床は血の海になっていて、かなり深刻な状況なのが見てとれました。警察官が交代で心臓マッサージをしながら『聞こえますか!』って何度も呼びかけてたんですけど、遠目から見ても反応がなかったので、意識はまったくなかったんだと思います」(地元・50代男性)
〈町田・銃撃事件〉FX投資に失敗した元組員(58)は組幹部を喫茶店で撃ち続けた! 今も癒えない市民の恐怖。現場付近には子ども広場も…「容疑者はガンで余命宣告を受けていたとの噂も」
5月26日19時ごろ、東京都町田市のJR町田駅に隣接する複合施設の喫茶店内で男性が拳銃で撃たれ死亡した。警視庁によると発砲した加害者、被害者とも暴力団関係者だという。金曜の夕食時、多くの一般市民が集まっていたなかで起きた惨劇に人々は恐怖で震えていた。
心臓マッサージをしながら
「聞こえますか!」と何度も呼びかけて…

事件現場(読者提供)
事件後、1時間もたたないうちに一部の暴力団関係者の間で事件直後の動画が出まわった。動画には拳銃で撃たれた被害者と思われる、入れ墨の男性が大量の血を流して倒れている姿が映されていた。
殺害された男性は六代目・山口組極粋会の鈴木英東幹部(51)。そして翌27日、神奈川県警に拳銃を持参して出頭したのは、職業不詳の佐々木誠容疑者(58)。彼は元組員だといわれている。
「佐々木は店内にいた鈴木組員と話をした後に発砲。鈴木組員は一度は店の外に逃げたものの、佐々木が追いかけて再び発砲。佐々木は店内と外で少なくとも5、6発は撃っている。周囲には複数の一般市民がいた」(捜査関係者)

暴力団関係者にでまわった事件直後の現場動画からの画像
事件当日、喫茶店を利用した学生が語る。
「事件のあった数十分前に自分も利用してたんで、もう少しで鉢合わせてたと思うと怖いですよね。その時はサラリーマンとか大学生とかお年寄りが数人(10人未満)いたと思います。その時いたお客さんで巻き込まれてる人もいたかもしれないと思うと、本当に気の毒ですし、トラウマになりかねない」
投資をめぐるトラブルが原因か
市民が集う喫茶店で拳銃を何発も発砲した佐々木容疑者。被害者とは投資をめぐるトラブルで揉めていたという。
「佐々木容疑者は昔からギャングのようなことをする人間で、組からも絶縁されていた。事件当初は“抗争”を推測した記者も多かったのですが、すぐに関係者から個人的な金銭トラブルだと伝わってきた。佐々木容疑者はFXに投資していたようで、被害者もいくらか金を渡していたようだ。投資はまったくうまくいかず、被害者とは返済をめぐっての話し合いをするために現場にいった。また、佐々木容疑者は以前からガンで余命宣告を受けていたという噂もあり、後先考えず犯行に及んだとみられている」(社会部記者)

暴力団関係者にでまわった事件直後の現場動画からの画像
惨劇から3日後の5月29日、地元で暮らす30代男性は肩を落とした
「家が近いので子供を遊ばせによく連れてくるんです。事件があった金曜の午後も遊びに来てましたし、年寄りと子連れとサラリーマンくらいしかいない平和な場所で、まさかあんな事件が起こるなんて…。やっぱり怖くてこの土日は近づけなかったですね。いつもなら子連れの客で賑わってるんですけど、今日は子どもが少ない気がします。事件現場には複数の花が供えられていたが、月曜の朝には片付けられていました」
花を見て事件をフラッシュバックする市民も多かったのだろう。一般市民にも恐怖をあたえた佐々木容疑者の罪は深い。

子どもたちがいなくった遊戯広場(撮影/集英社オンライン)
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班