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高級ホテルのラウンジバーで響いた怒号

「俺たちは被害額が10億円、20億円の詐欺師ばかりを相手にしてきた。追ってるときは、それを元に小説を書くなんて思ってもみなかった」

これまでZ李氏はトップランカーの詐欺師ばかりを相手にしてきたという。「海千山千の詐欺師であれば言い訳も超一流では?」と記者が尋ねると「まずはスマホを開かせる。LINEやSNSやアルバム、ネットbank、仮想通貨などの取引所もログインして見れば証拠が出てくる」と荒事をさらりと語った。

3月22日に発売する自著『飛鳥クリニックは今日も雨(上)』の一説では、ポンジ・スキーム(「必ず高騰する仮想通貨がある」と投資話を持ちかけて預かった金を騙し取る手法)詐欺師を追い詰める話などが登場するが、これもZ李氏が実際に経験した“事件”だという。

「女の子を四つん這いにさせ犬の首輪をつけて散歩させる社長」「トー横少女を探すために500万振り込んできた男」トラブルシューターZ季が出会った悪いヤツラと“難事件”_1
自著『飛鳥クリニックは今日も雨(上)』
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「被害額は約2300万円だった。被害者の一人がキャバ嬢で可愛かったという理由で依頼を受けたけど、騙し取ったやつと対峙する流れで〇〇って外資系ホテルに行った。すると詐欺師は他の債権者も呼んでいて俺たちとバッティングさせようとしたんだ。ホテルの高層階のラウンジバーで揉め事になって、何人もの男の怒号が響いてさ。

さすがにバーの従業員に通報されると思ったから『こいつ(詐欺師)を担いで持ってきますね』と言うと、従業員は『すいません。もう運べます?』ときたもんだ。外資系ホテルは警察が来て騒ぎになるより連れ去ってくれって判断をしたんだ。暴れる詐欺師をなんとか担いでホテルを出て、それから事務所に連れて行って、金も回収し、皆が納得するカタチにおさめたんだ」