#2

少子化は悪なのか?

結婚しない人が増え、子どもを産まない人が増えている。

「生涯未婚率」は1970年には男性1.7%、女性3.3%だったが、2020年には男性28.3%、女性17.8%まで増加した(2020年「少子化社会対策白書」)。今後はさらに増え、男性の3割程度、女性の2割程度が、結婚しないという予想も出ている。

また、政府が「異次元の少子化対策」を打ち出していることからわかるように、少子化も加速している。2022年の出生数は約77万747人で、統計以来、最少となったという。ちなみに第一次ベビーブーム期(1947~49年)は約270万人、第二次ベビーブーム期(1971~74年)には約210万人が生まれていた。

私は少子化が悪いとは必ずしも思わない。

子どもを産みたくても産めない人を支援する取り組みは必要だ。だが、子どもを産む・産まないは国に強制されることではなく、あくまで個人の自由意志による選択であり、子どもが少なくても個人が幸せに暮らせる社会のための制度設計のほうが、子どもを増やす取り組みよりも重要だと考える。

【経済力か恋愛感情か】女性が結婚相手の男性に望む年収で見えてくる令和の結婚観_1
すべての画像を見る

さて、結婚しない人が増えているとは言っても、現状は男女ともに8割以上は結婚しているわけで、結婚する人のほうが多い。その点で、漱石の予言は、100%は当たってないと言える。

漱石の時代と違って結婚は個人の自由になったにもかかわらず、なぜ人は結婚するのか。人は結婚に何を求めているのか。

十人十色ではあろうが、何らかの傾向はあるだろう。それを私なりに考えてみたい。