「純血種の猫も捨てられている」飼育放棄の背景にあるコロナ、高齢化社会、カワイイ文化_a
現在8匹の保護猫が過ごす「ちよだニャンとなるcafé 神田神保町」
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「終のすみか」も兼ねた保護猫カフェ

東京・神田神保町の専大通り沿いに建つ、1階に喫茶店が入るビルの4階。白を貴重にした室内には、客がくつろげるソファやカウンター席のほかに、キャットタワーやキャットウォークが設置されている。猫たちは、スタッフとねこじゃらしのおもちゃで遊んだり横になったりと、思い思いの時間を過ごしている。

2022年2月22日の「猫の日」にオープンした「ちよだニャンとなるcafé 神田神保町」は、猫とふれあいながら飲食ができる一般的な猫カフェとは異なり、老猫ホームとホスピス機能を併設した譲渡型の保護猫カフェだ。家族になってくれる人との出会いを待ちながら、高齢の猫が余生を穏やかに過ごすための居場所ともなっている。

運営する一般財団法人「ちよだニャンとなる会」は、2001年の発足以降、千代田区と連携しながら街で生活する猫の去勢・不妊手術や保護・譲渡活動などを行ってきた。保護猫カフェの開設は、秋葉原店に次いで2店目。いずれも、クラウンドファンディングなどで資金を募った。

同会副代表・事務局長の古川尚美さんは「活動初期は、猫に去勢・不妊手術をして元の場所に戻し、地域猫として見守っていく活動をしていました。近年では、都市部の再開発によってすみかを奪われた猫や、交通事故に遭ってケガをしたり高齢で病気になってしまった猫を保護することも増えました。私たちの保護猫カフェは、そういった譲渡が難しい猫たちの終のすみかとして、幸せに旅立てるようにケアをしていく場所でもあります」と語る。

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猫におやつをあげる古川尚美さん
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