上野動物園のパンダの姿を毎日撮影し、ブログ「毎日パンダ」で公開しているぱんだうじ氏。パンダにのめり込んだのは、2011年8月。仕事の合間にたまたま寄った上野動物園で、シャンシャンの両親となるリーリーとシンシンを見たことがきっかけだそう。
「パンダって可愛いだけでなく、人間らしい仕草をするんです。大人になってから改めてじっくり見たことで、そんな面白さに気付き、その日のうちに年間パスポートを購入。以来、毎日上野動物園に通っています」

〈さよならシャンシャン〉「シャンシャンはとにかく顔が可愛い。その穴は他のパンダでは埋められません」毎日パンダブログ管理人が送る、涙のベストショットメモリー
2023年2月21日、上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャン(メス5歳)が中国に返還される。シャンシャンは2017年6月に上野動物園で生まれ、29年ぶりに赤ちゃんパンダが一般公開された。“シャンシャンフィーバー”を巻き起こし、現在も根強い人気だ。そこで、上野動物園のパンダの姿を毎日記録するブログ「毎日パンダ」管理人のぱんだうじ氏に、シャンシャンとの思い出をベストショットと共に振り返ってもらった!
お転婆かつ繊細。見る者の母性をくすぐるシャンシャン

笹の香りまで愉しんでいるような仕草を見せるシャンシャン(2018年11月27日撮影)※写真はすべてぱんだうじ氏提供
そんなぱんだうじ氏が思う、シャンシャンの魅力とは?
「パンダは個体ごとに顔が違うのですが、シャンシャンはとにかく顔が可愛い。そして性格もお転婆かつ繊細。守ってあげたくなるんですよ」

氷のプレゼントを大事そうに抱え、微笑む姿は、人々の心をわし掴みに!(2019年7月3日撮影)
上野動物園パンダ舎の客層をも変えた
シャンシャンの誕生
リーリーとシンシンの元に待望の第一子としてシャンシャンが生まれた2017年、上野は“シャンシャンフィーバー”に沸いた。生後しばらくは見学は抽選制で、倍率が100倍にも上がったそう。一般公開後もシャンシャンの見学には2~3時間待ちが当たり前だったという。
「シャンシャンきっかけで“パンダ沼”に落ちた方は多く、パンダ舎の客層も変わったほどでした。これまでは子連れの方がほとんどだったのが、シャンシャン誕生以降は、突然40~50代の女性客層が増えましたね。子育てがひと段落し、シャンシャンを我が子同然に感じている方が多いようです」

座った時のぼてっとしたフォルムは、まるで人間の赤ちゃんのよう(2019年10月2日撮影)

「顔が見えないからと言ってがっかりしてはいけません。むしろこの後姿こそが可愛さの最終形態です」(ぱんだうじ氏)。丸くモフモフとしたシルエットから、どんな顔をしているか想像して楽しめる(2018年2月24日撮影)
そんなシャンシャンが生まれてからのこの5年間で、ぱんだうじ氏が特に忘れられないと言うのが、シャンシャンが母親のシンシンと過ごしているひと時。
「パンダが親子で過ごす時間は意外に少なく、1歳半くらいで親離れをしてしまいます。だからこそとても貴重。シンシンとシャンシャンが母子で仲睦まじく過ごす濃密な時間は、たまらなく微笑ましかったですね」

左が母のシンシン。笑いながら会話をしているように見える(2018年8月4日撮影)

シンシンの前で寝ころび、リラックスしながら笹を食べるシャンシャン。無防備な姿がたまらない(2018年9月19日撮影)

シンシンとシャンシャンの大きさのコントラストも愛くるしい(2018年9月22日撮影)
そして、シンシンとリーリーからパンダの魅力にハマったぱんだうじ氏にとって、シャンシャンは「孫のような存在」だという。
「毎日パンダを見ている僕にとって、もはやパンダは家族。最初に出会ったリーリーとシンシンが我が子的な存在なんです。だからその子どものシャンシャンは孫のようで愛おしい。もう会えなくなると思うと、心にぽっかり穴があいた感覚です」

左がシャンシャン。お母さんから寝方を教わっているかのように、寝相まで親子がシンクロ(2018年5月29日撮影)
シャンシャンで空いた心の穴を
他のパンダで埋められるわけではない
2022年12月23日に中国への返還が発表され、2023年1月21日から最終展示日の2月19日までのシャンシャンの観覧は抽選制となった。ぱんだうじ氏も全日程申し込んだが、結局週1~2回ほどしか会えなかったという。

返還発表後のシャンシャン。成長してからも愛らしい表情は変わらない(2023年1月18日撮影)
また、上野動物園にはぱんだうじ氏以外にも毎日パンダを見に来るいわゆる“パンダ仲間”たちがいるそう。彼ら、彼女らの返還に対する反応は?
「これまでシャンシャンはコロナの影響で帰国が5回も延期されていたので、みんな覚悟はしていたんです。パンダ仲間同士、腹を括り『笑顔で気持ち良く送り出してあげようね』と語り合っていました。もちろん、中には『返還は受け入れられない』という姿勢をとるパンダ仲間もいましたが、それほどシャンシャンが愛されていた証拠ですよね」

竹の研究をしているのか、時折真剣な表情も見せるシャンシャン(2020年10月14日)

だらけた姿勢と表情からは、笹の美味しさがこちらにまで伝わってくる(2019年3月1日)
大きな“シャンシャンロス”に包まれている上野動物園。
「シャンシャンにはシャンシャンの個性があるので、その穴を弟と妹である双子のシャオシャオとレイレイが埋められるわけではない。このロスがいつまで続くかはわかりません。もう会えないのは寂しいけれど、どれだけシャンシャンが素晴らしいパンダだったか、ぜひ皆さんの記憶に残してほしいですね」
悲しみを噛みしめながらも、気丈にもこう語る、ぱんだうじ氏であった。
取材・文/菱山恵巳子
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