旧友たちとの飲み会で話題になった、
“人の肉”に似た食べ物のこと

昨年末、旧友たちと飲み会をした。
取り止めなくしょうもない話ばかりしていたので、どういう経緯でその話題になったのかも忘れたが、付き合いの長い一人の友が、旅先で食べたある料理の話をはじめた。
彼曰く、それは、これまでの人生でトップクラスに入るほど、食べたことを後悔したもの。
その味と食感がなかなか忘れられず、いまだに困っていると言うのだ。

何がそんなに不快だったのかと聞くと、そいつはとんでもないことを言った。
限りなく“人の肉”に近いというのだ。
「それがわかるということは、お前は人を食ったことがあるのだな」と、当然の総ツッコミを受けることになったその友の顔を、僕は1月半ばに出かけた車中泊旅の途中、三重県の道の駅で思い出していた。

まったくの無計画でただ西へと進路を取り、10泊11日で“男一匹真冬の車中泊旅”をしていた僕は、出発から8日目の2023年1月20日、三重県紀北町の道の駅にて一夜の休息を取ることにした。

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夜中に到着した三重県・紀伊長島の道の駅
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着いたのは夜遅くなってからだったので、道の駅のすべての店舗はシャッターを降ろしていた。
だけど敷地内のある建物の屋根にかかっている看板で、僕は目的の店がそこにあることを確認した。

マンボウ料理をひさぐ店だ。

友人が「人の肉に似ている」と断言した、あのマンボウを。