初めてAmazonランキング1位を獲得した『地球の歩き方』

人気の海外ガイドブック『地球の歩き方』が、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(以下『ジョジョ』)とタッグを組んで誕生した『地球の歩き方 JOJO ジョジョの奇妙な冒険』。2022年4月1日に刊行が発表されたこのコラボレーションは、ジョジョファンの中で話題騒然となり、また、エイプリルフールということもあり「ネタか本当かわからない」とSNS上で盛り上がった。

その勢いのまま、『地球の歩き方』として初のAmazon全書籍総合ランキングで1位を獲得。2022年7月14日の発売以降も、ガイドブックとしての完成度や資料価値としての高さ、ジョジョ愛に溢れた仕上がりに「ディ・モールト良い」(非常にいい)などの声が挙がっている。

本書は、杜王町のモデルになった仙台市をはじめ、イギリス、イタリア、インド、エジプト、アメリカなど、第1部~第8部までの物語の舞台を名場面とともに紹介する構成となっている。

例として、イタリアのローマにある「コロッセオ」の説明を抜粋する。

「80年に造られた巨大円形闘技場。その大きさは高さ57m、直径188m、周囲527mで、当時の収容人数は5万人以上。(中略)ここでは、猛獣対剣闘士、または剣闘士同士の凄惨な戦いが繰り広げられ、人気の娯楽になっていた。(中略)そんな血なまぐさい歴史ゆえか、「コロッセオの地下深くには人間の血を吸う未知の生命体が眠っている」という都市伝説も。真相はわからないが、ここではなるべく血を流さないようにしたいものである……。ローマを代表する名所なので、顔を知らない人間とこの町で落ち合うなら、待ち合わせ場所としてもおあつらえ向きだ。ただし、「オレは上! きさまは下だ!!」と言われて上階に行けないかもしれないので、落ち合う場所を指定しておこう」

ファンであれば思わずクスッとなるような、ジョジョ愛に溢れた内容ではないだろうか。どこか奇妙で冒険心をくすぐられるこのガイドブックはどのように生まれ、そしてどのように出来上がっていったのだろうか。本書の制作を担当する由良暁世さんに話を聞いた。