面倒なお願いをしなければいけないとき
→付箋に手書きで一言添える

ほんのささいな「ひと手間」が、大きな効果を生み出すことがあります。
サム・ヒューストン州立大学のランディ・ガーナーは、誰かに何かを依頼するとき、付箋(ポストイット)に手書きで感謝のメッセージを書くだけで大きな効果があることを実験で証明しました。

この実験は、学内の教授たちに対し、退屈で煩雑なアンケートを次の3つのパターンでお願いするというものでした。アンケートの内容はすべて共通です。

グループ① 印刷された依頼文とアンケート用紙のみで依頼
グループ② 印刷の依頼文の右上に、「少しお時間をいただきますが、アンケートにご協力ください。感謝します!」と手書きで書いて依頼
グループ③ 印刷の依頼文+アンケート用紙にポストイットを貼り、②と同じ文章を手書きで書いて依頼


さて、回収率にどれだけ変化があったでしょう? 答えは……。
① 教授たちの36%がアンケートを提出
② 教授たちの48%がアンケートを提出
③ 教授たちの76%がアンケートを提出


ポストイットに手書きでお願いや感謝のメッセージを書くだけで、なんと倍以上の回収率になったのです。依頼文に手書きで同じ文章を書いても、約10%しか回収率が増えなかったことと比べると、驚くべき効果ではないでしょうか。

付箋を貼って、たった一言書くだけで! ポストイット効果恐るべしです。
ちなみに③の依頼については、回収率が高いだけでなく、より早く、詳しく丁寧な回答がなされたということです。
 
このようなめざましい効果が出た理由については、2つの要素があったと考えられます。

まずは、付箋が目立ったということ。そして、そこに個人的なメッセージが書かれていたということ。これによって教授たちは「自分への特別な依頼である」という印象を受けたのです。

付箋にメッセージを書いて貼るというのは、そんなに手間ではありません。しかし受け取る側は、送り主の手間や心遣いを感じることで心が動くのです。

何か面倒なことをやってもらうときは、「ご面倒だと思いますが、ぜひお願いします!」と、心配りを感じさせる文章をポストイットに記して伝えるのがよいでしょう。メールであれば「追伸」に書いても効果があるかもしれません。

<まとめ>
面倒な状況でさえ、
自分に向けた手書きメッセージはうれしい!