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所得税は年38→25万円、住民税は年33→12万円へ控除額引き下げ

今回明らかになったのは、16歳~18歳対象の扶養控除の引き下げ額だ。所得税は子ども1人あたり年38万円から25万円へ、住民税は年33万円から12万円へ引き下げられる。課税の対象となる所得から控除できる金額が減るため、高校生のいる世帯には増税となる。

これによる増税幅は、年収や子どもの人数などによって異なる。扶養控除以外の控除の適用状況によっても細かな税額は変わる可能性があるが、所得税20%、住民税10%の場合で概算すると、課税される所得が330万円~695万円の場合の負担増額は5万円弱となる。これは片働きで高校生の子どもが1人いる会社員家庭の場合で、年収約750万円~約1160万円のケースが該当する。

「子育て罰」を可視化する扶養控除制度…親が稼ぐほど子どもが損をする日本の教育費の行く末_1
岸田文雄首相 写真/共同通信
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ちなみに、このうち住民税での所得に対する税率は10%と全国でほぼ一律のため、扶養控除額引き下げによる税負担増は所得にかかわらず+2.1万円だ。一方で所得税は累進課税のため、増税分は所得税率しだいで+約7千円~+6万円弱と差が生じる。高所得層ほど負担増は大きい。ただ、所得税の最高税率45%であっても、所得税と住民税合計での増税分は8万円弱にとどまる。所得にかかわらず、児童手当の受給額を増税分が上回ることは避けられそうだ。