100周年を見据え、ホビーメーカーにとらわれない
新しい価値の創出
原作に忠実、かつ日本的なモノづくりの意匠をプラスして確立された壽屋クオリティ。清水氏は「“現実の製品がお客様の理想に追いつける”ようなモノづくりを目指している」と語る。
「我々は微細な凹凸から衣装の質感、光の当たり具合まで研究し、製品を作っております。またキャラクターが作品によって異なる衣装を着ていれば、衣装ごとに“どうしたらカッコよく、可愛く見せられるのか”研究を重ねて、製品を作っていますね。キャラクターの持つイメージを最大限に引き出すこと、とも言い換えられますね。それができていればメーカー冥利に尽きますし、ファンの方々にも納得してもらえる製品になると信じています」
70周年を迎えた壽屋。これを機に初心に立ち返った事業も現在進行形で進めているらしい。
『ARTIST SUPPORT ITEM ハンドモデル』という壽屋の造形技術、ノウハウを詰め込んだクリエイター向けの精巧なハンドモデルの製作に注力しています。職人気質の高い企業であるというホビーメーカーとしての原点に立ち返り、コンテンツの作り手を支援できればと思いスタートした事業ですので、様々な業界のクリエイターの役に立てれば嬉しいですね」
取材・文/文月/A4studio 撮影/下城英悟