「どの球団に移籍しても二刀流は継続される」
――そのエンゼルスですが、今年の夏には球団売却を進めているとの報道もありました。その後、なにか情報はありますか。
これはトップシークレットの事案なので、いったい誰が新オーナー候補で、売却金額がいくらなのか私もわかっていません。ひとつ言えることが、多くの人たちが2023年のシーズン開幕までに新オーナーが決まり、球団としての方向性を示してくれることを望んでいるということです。しかし、現時点ではどうなるかまったくわかりません。
――大谷選手は来シーズンオフにFA権を取得しますし、シーズン中のトレードも含め球団の方向性は気になるところですね。
そこはいろいろな可能性があると思います。ただ大谷が将来的にどの球団へ行ってもエンゼルス同様、二刀流は継続されると思います。投打ともにあれだけの成績を残しているわけですし、登板間隔など起用法はエンジェルスと異なるかもしれませんが、投打どちらかに絞るということはありえないと私は思います。
――なるほど。さて来年3月に開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に大谷選手が参加表明をしましたが、アメリカではどのように捉えられていますか。
誰もが喜び、興奮していますよ。まず大谷を大舞台で見られるというのがひとつ。もうひとつはチームメイトであるトラウトとの直接対決が見られるかもしれないのです。こんなエキサイティングな話はありません。私も今からすごく楽しみにしています。
――今回のWBCのUSA代表はトラウト選手、カー・ショー選手をはじめオールスター級の選手たちが顔をそろえています。
これまでアメリカはWBCに大物選手を派遣していませんでしたが、今回はまずトラウトが『出る』と宣言したことで、他の選手からも参戦の声がつづきました。メジャー最高の選手は誰かと言えば、トラウトだという人は多い。それぐらいトラウトの影響力はメジャーにあって大きいんです。
――実現すれば熱い同僚対決になりますね。まだ大谷選手の起用方法は決まっていませんが、DH限定での出場ではないかと言われています。
私も同意見ですね。もし先発をやるのであれば準備期間を前倒しにする必要があります。私が思うに、確かにWBCも大事ですが、彼のキャリアを考えたら、エンゼルスを勝たせることが最優先課題となるべきです。
そしてシーズンが終わったときにはFAになりますし、万全のシーズンを過ごし自分の価値を高めなければいけない。そういった要因からもDH中心になると考えています。