「パイならおっぱいやろ」という一声で生まれた
「いまの肩書は、『ぬか漬けマイスター』です。野菜だけじゃなく、魚も肉もフルーツもなんでもぬか漬けにしちゃいますよ」
「黒ビキニのほう」の“みほ”こと大湯みほさん(41)は、“ぬか漬けタレント”に転身していた。
「『チェリー☆パイ』の前にアイドルとか女優にも挑戦したんですけれど、鳴かず飛ばずで……。子どもの頃は、いじめられっ子だったんですよ。でも、服飾系の専門学校に通っているときに、地元・仙台のモデル事務所にスカウトされて、細々と活動していました。学生時代は人と目を合わせられないくらい暗いコで、当時の知り合いは芸人になった私を見て『あれは同姓同名の別人だ』と思っていたらしいです。
生保レディーと深夜の焼き鳥屋のダブルワークで軍資金を貯めて、上京するときには親族に、「女優になる!」って宣言しちゃってた。芸人になってからも、私は正統派のお笑い目指したかったので、水着は断固拒否していたんです。ところが、脱ぎたがったのが相方のかっすん。彼女はわたしより立派な“おムネ”もあったので(笑)」
2007年の春。ピンで活動していた「みほ」と大阪から上京したばかりの「かっすん」は出会った。つけたコンビ名はかわいらしい「チェリー☆パイ」。
「いわゆる即席コンビで、オーディションのために組んだら予想外にウケがよかったんです。当時のマネージャーが、『ネタに政治を絡めなさい』ってアドバイスするもので、『政治が心パイ!』とか『政治家は疲労困パイ!』とかアレコレ考えてはみたけれど、大阪ノリの相方が『パイならおっぱいやろ』という一声で生まれたのが、『いっぱいおっぱいチェリー☆パイ!』です。
いくらなんでもストレートすぎるでしょって思ってたんですけど、ふたを開けてみるとオトナも子どもも笑ってくれるからコレをメインのギャグでいこうって。やってみると自然とフリもついちゃうもので。
お笑いのオーディションに、服アリと服ナシの2パターンのネタを持っていくじゃないですか。そうすると服ナシのほうが受かるんです。求められているのは、“深夜枠”のセクシーさで、『エンタの神様』とか『爆笑レッドカーペット』とかお茶の間向きの番組はまったく受からなくて全滅でした。
ただ、コント赤信号のリーダー渡辺正行さん主催の『ラ・ママ新人コント大会」のオーディションだけは、出番で水着で出た瞬間に『合格っ!」って言われましたけどね、ネタやる前に(笑)」