国政に物申す一方、本業の区政は職員に丸投げ?
就任11年目を迎える保坂区長の世田谷区政では、これ以外にも様々な問題が起きている。一例として、区史編纂事業では執筆者に著作権譲渡や人格権不行使を強要し、その過程でパワーハラスメントも発生。
10月時点で区議会でも取り上げられるほどの大問題に発展しており、これこそがフリー於保氏が最初に会見への参加申込をした理由でもある。
ようやく会見に参加できた11月の会見で於保氏はこの問題の認識を保坂区長に問い質すも、「トラブルが起きたとは聞いているが、問題を具体的に指摘して頂かないと答えられない。預りとしたい」と衝撃的な回答。区議会で取り上げられるほどの大問題を区長がまるで認識していない実態が露呈した。
当日に筆者が会見室で撮影した360度写真をご覧頂くと、中央(区長演台の正面)の記者席は10名に限定された一方、右側には回答を補助する職員に12席以上が用意されている。
実際、保坂区長は会見中に度々回答を職員に丸投げ。さらに壁際や窓際にも区職員(広報広聴課、秘書課 等)が約10名も待機。他の一般的な会見と比べても、記者の少なさ(10名)と職員の多さ(記者の倍以上)は明らかに異常である。
就任から11年が経過し、来年で3期目の任期が切れる保坂区長は、会見でフリー寺澤氏に国政復帰の考えを問われると完全否定することはなく、可能性に含みを持たせた。現に、保坂区長のTwitter での発信内容を見ると、連日のように国政に物申す姿を確認できる。
その一方で、自らの本業である区政は疎かに。もはや心ここにあらず、といった状態なのではないか。
文/犬飼淳