アクセルとブレーキを間違えたか…認知症の可能性は?

また、後期高齢者のドライバーによる死亡事故が起きてしまった…。
11月19日午後4時46分頃、JR福島駅から約4キロの距離にある大型ショッピングモール「イオン福島店」の駐車場付近の市道で軽自動車が歩道を走行し、歩行者をはね、その後、車3台に相次いで衝突した。
軽自動車を運転し、福島県警に自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の疑いで逮捕されたのは、福島市に住む無職の波汐國芳(なみしお・くによし)容疑者(97)だ。

〈福島97歳暴走死傷事故〉「おかあさーん目を覚まして」周囲は救命措置。加害者は縁石に座り現場を見つめていた… 事故被害女性が惨状を告白_1
事件現場には花が献花されていた
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「97歳と高齢の波汐容疑者だが、直近の運転免許を更新した際の認知機能検査では問題はなく、杖などをついている様子もみられていない。逮捕後の捜査員とのやりとりもしっかりとしており認知症などの可能性は低いが、現場にはブレーキ痕がなく、軽自動車は数十メートル走行したとみえ、アクセルとブレーキを間違えた可能性もある。捜査は慎重におこなわれている」(社会部記者)

この波汐容疑者の事故により、本人含む5人が軽傷、1人が死亡した。亡くなったのは市内に住む調理員の川村ひとみさん(42)。

「川村さんは夫と小学生の娘、息子の4人家族。今の自宅に4,5年前に引っ越してきました。働きもので子ども思いの素敵なかたでした」(近隣住人)

〈福島97歳暴走死傷事故〉「おかあさーん目を覚まして」周囲は救命措置。加害者は縁石に座り現場を見つめていた… 事故被害女性が惨状を告白_2
事故現場となった市道

冒頭の事故被害にあった女性が事故後の惨事を証言する。

「私の前後にも車があり、後ろは介護車両でした。高齢者のかたが複数乗っており、中には100歳のかたもその車に乗っていました。前の車は若いご夫婦が乗っていて、女性は妊婦さんでした。事故のあまりの衝撃で私は動けなかったのですが、周りのかたがすぐに救命処置をしていました。手袋をはめた女性が『お母さん、お母さん、目を覚まして! 頑張って』と心臓マッサージをし、別の男性はAEDを探していた。波汐容疑者は、自分がしでかした惨状を、歩道の縁石に座り放心状態で見つめていました」