エース田澤を「ラク」にした主将の存在

昨年度は3年生にして田澤が主将を務めた。だが、今年1月の箱根駅伝の後に、その肩書きを同級生の山野に託した。これにより田澤は心理的な負担が「ラクになりました」と言う。そのおかげもあって、今季は競技に集中できている。

一冠目を手にした出雲駅伝の直後に、山野はこんなことを話していた。

「一人ひとりが勝ちたいっていう思いが強いし、勝たなくちゃいけないメンツもそろっている。自分もみんなに『勝とう!』と声をかけて、みんなもちゃんと応えてくれた」

駒澤大といえば、大八木監督の声がけが名物だが、山野もまた、主将として熱い声がけでチームを盛り立てていたのだ。

選手としてももちろん、山野はチームにとって欠かせない戦力だ。

主将に就任した直後の2月、地元・山口で開催されたハーフマラソンで1時間0分40秒の好記録をマークし、日本人学生最高記録保持者となった。今や学生長距離界を代表する選手のひとりだが、駒澤大へは一般受験を経て入学した努力の人でもある。

そして、駅伝でも力走を見せている。出雲駅伝では4区を走り区間2位。

山野自身は「強風の中で頑張ったなと思うんですけど、欲をいえば区間賞を獲りたかった。(区間1位に)19秒も差をつけられたのは反省です」とレース後に口にしたが、大八木監督は「山野のところでだいぶ優勝が近づいてきたと思った」と評していた。