50代になり性欲がおさまり男性と「人間同士の付き合い」ができるように

最近、3人の男性を紹介してもらう機会があったという大久保さん。しかしその時も“生の自分”がピンとくる部分がなく、その先に進めなかったという課題があります。

「面白いし知識もある。いい人だし、ちゃんと仕事もしている。でも、ときめきというかドキドキ感がない。それが無くして、パートナーとしてやっていけるのかと思います。パートナーとはいい距離感を保ちたいものの、生身のぐちゃぐちゃの部分を見せていない相手と恋愛なんてできるのだろうか、と。それで相手を信頼していいの? 私のことも信頼できますか? と思うんですよ。その見極めが難しいと思っています」

気を遣って食べる豪華なお寿司より、一人で食べるスーパーのお寿司の方が美味しい。大久保佳代子さん「食とエロス」の軌跡【私のウェルネスを探して 大久保佳代子さん 後編】_7

一方、この年齢になったからこそ、楽しくなった付き合い方もあると言います。

「これまではよく見られよう・嫌われたらどうしようとか、いつも男性を男女の関係で見てたんですよね。50代になり性欲がおさまって、それが無くなると、人間性しか見なくなるから楽になるんですよね。ブサイクだろうと優しい人は優しい人だなと思えるし、イケメンにも気に入られようとせずに、自然に『最近何してるの?』と聞ける。普通のおばさんと言えばおばさんだけど、人間同士の付き合いができるようになったのはとても嬉しいですね」

理想は「高校時代の友達とバス旅行に行っているようなおばさん」

50代に突入し、これから迎える60代。その先に見えているもの、大久保さんの理想の姿とは、どんなものでしょうか。

「パートナーはいたらラッキーだけど、いなくてもしょうがないかなと思っています。芸能界なんて、あまり人が味わえないような人生を経験してきたから、ちょっと欲張りかなとも思うんですけど。欲深い女なのでタイミングよくパートナーが現れて、湘南とか海外のどこかとか、海のそばでゆっくり暮らせたらいいなあという理想が頭の中に8%くらいあります(笑)。でも、期待しててなかったらショックを受けるので、あるわけないよなと思っていて。私は真面目な性格なので日々仕事をし、朝のストレッチ・床掃除をやりこなしながら、気づいたら隣にパートナーがいたというの現実的かな。

気を遣って食べる豪華なお寿司より、一人で食べるスーパーのお寿司の方が美味しい。大久保佳代子さん「食とエロス」の軌跡【私のウェルネスを探して 大久保佳代子さん 後編】_8

40代50代でこれだけ変化があったので、先は未知数だと思うんです。今の60代は、元気ですよね。私はお酒も飲むし、リウマチもあるから、元気でいられるのかなとも思います。理想を言えば、高校時代の友達とバス旅行に行っているようなおばさんになれたらいいですね」

大久保佳代子さんに聞きました

身体のウェルネスのためにしていること
“朝の3点セット”

「朝の30分のストレッチエクササイズと床掃除、床拭きです。ここ1年くらい続けているんですが、定期的にブームが来るんですよ。午前中に体を動かすことでいい汗をかいて疲れが取れるし、朝から頑張った自分が肯定できるんです。ストレッチの後に時間がある時は、掃除機で床を掃除し、床拭きワイパーで拭く。この“朝の3点セット”ができると、いい1日が過ごせそうな気がします」

心のウェルネスのためにしていること
愛犬パコ美ちゃんとの晩酌で仕事の緊張をリセット

「愛犬パコ美ちゃんとの晩酌ですね。毎日しています。仕事が終わって、帰ってきたらすぐにシャワーを浴びて、メイクを落として、家について1時間以内にスタートします。仕事をしているとずっと人に囲まれていて、少なからず気を張っているんですよね。それを解く、緊張から解放するような時間です。今日もぼちぼち頑張ったなと振り返りながら、反省はせず、そこまで引っ張らずに。それがあることで毎日がリセットできていると思います」

インタビュー前編はこちら!

気を遣って食べる豪華なお寿司より、一人で食べるスーパーのお寿司の方が美味しい。大久保佳代子さん「食とエロス」の軌跡【私のウェルネスを探して 大久保佳代子さん 後編】_9

撮影/高村瑞穂 スタイリング/野田奈菜子 取材・文/武田由紀子

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