生涯未婚率は高いが、結婚願望も高い日本

さらに日本の現状を理解するために、生涯未婚率と未婚者の結婚意識について見てみましょう。

まず、いわゆる生涯未婚率と呼ばれる50歳時の未婚率を表したグラフを見ると男性は28.3%、女性は17.8%となっています。

「子供は贅沢品」なのか? 圧倒的少数派である子育て世帯に突きつけられる危うい未来_2
出典:令和4年度版 少子化社会対策白書

この人たちの中には結婚を望んでいない人もいると思いますが、一方で日本人は諸外国に比べて結婚願望が強いと言われています。

第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)でも、18~34歳の未婚者に結婚に対する意識を聞いた調査では、男性81.4%、女性84.3%は「いずれ結婚するつもり」と回答しています。

「子供は贅沢品」なのか? 圧倒的少数派である子育て世帯に突きつけられる危うい未来_3
出典:第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)

さらにグラフを見ると、年々「一生結婚するつもりはない」と回答している割合も増えてきてはいますが、結婚願望は40年前から引き続き、ある程度高いことがわかります。

同調査によれば、独身でいる理由には25〜34 歳では、「適当な相手にまだめぐり会わないから」の選択率がもっとも高く、男性の43.3%、女性の 48.1%がこれを挙げたとあります。

また独身の利点として「行動や生き方が自由」という回答が男女ともに70%以上あり、男性の4人に1人は「金銭的自由」をあげています。また結婚相手に求める条件では女性が男性に経済力を求めている人は80%と依然として高く、近年では男性も女性に経済力を求める傾向が増しています。

このように金銭的な理由で結婚をしていない単身者も一定数いると想像できます。金銭的な理由で結婚できなかった人、または結婚しても金銭的な理由で子供を産まなかった人からすると「子供は贅沢品」になるのかもしれません。