T-800が35年の歳月をかけて進化
『ターミネーター』(1984)The Terminator 上映時間:1時間47分/アメリカ

ロボットの恋心、自尊心、人間との触れ合い……切なすぎるAI映画5選_4
アーノルド・シュワルツェネッガーの代表作に
Collection Christophel/アフロ

2029年、AIの軍団が人類に対して戦争を仕掛け、生き残った人間の抵抗軍と激しい戦いを繰り広げていた。AIは、のちに抵抗軍のリーダー、ジョン・コナーを生むことになる女性サラ(リンダ・ハミルトン)を抹殺するために、殺人マシンT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)を、1984年のロサンゼルスに送り込んだ。抵抗軍は、これを阻止するために戦士カイル(マイケル・ビーン)を送るが……。これが『ターミネーター』の物語だった。

続編『ターミネーター2』(1991)では、サラと息子のジョン(エドワード・ファーロング)を抹殺しようと送り込まれたのは、更に進化したT-1000だった。だが、未来のジョンが自分を守るべくプログラム変更して送り込んだT-800が再び現れ、母子のピンチを救う。

『2』のラストでT-1000を溶鉱炉に葬り去り、自分の存在が未来の人類の脅威となることを悟って自ら溶鉱炉へ身を沈めていくT-800。ジョンの涙を見て「泣く気持ちがわかった。泣くことはできないが」と呟く切ない名シーンは、ロボットの感情の芽生えを感じさせ、ファンを唸らせた。

その後のシリーズは3本の続編群を経て、『ターミネーター2』とダイレクトに繫がる『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)へ帰結した。T-800がその後、どのような進化を辿ったのか。そのドラマティックな泣ける展開は必見だ。