萌茶さん自身の着こなしやメイクのこだわりとは

――萌茶さんのファッションについてうかがいます。レディースの服や、レディースとメンズをミックスした着こなしをよくされるそうですが、ファッションで一番気をつけていることは何ですか?

自分は足が細くて上半身にボリュームがある体型なので、ドロップショルダーやラグランスリーブのコート、テーラードジャケットなどを選んで、肩幅を目立たなくするような工夫をしています。逆に足の細さを強調するように、今日履いているようなタイトなパンツを選んだりします。今日着ている服は、すべてレディースですよ。

「理解のない人も排除はしない」LGBTQ+向けファッション誌『WaWian』の志と存在意義_6

――素敵なジャケットですね。

シースルー系の服が大好きなんです。中性的な印象を与えられるので。

――靴もレディースですか?

これはメンズです。お気に入りのサンローランのブーツなんですけど、スウェード生地でヒールのところがカーブになっていて、やはり中性的なデザインになっています。今日のコーディネートは、全体的に見るとそこまで女性らしい感じはしないと思うんですけど、要所要所にそうしたこだわりを取り入れるようにしています。

――メイクについても聞かせてください。

メイクブラシに結構こだわっています。アイシャドウを塗ったりするときには、含みがよくてふんわり仕上がる天然毛。リキッドファンデーションを塗るときには、水分を吸収しにくいナイロンのブラシを使います。メイクは、自分の気になってる箇所を補うようにしています。
私の場合は、人中(鼻と唇の間)の長さを隠すためオーバーリップにして、鼻の下に影を入れたりしています。全体に気をつけていることは、ハイライトを入れてなるべく立体感をつけるようにすることですね。

「理解のない人も排除はしない」LGBTQ+向けファッション誌『WaWian』の志と存在意義_7

――そういうメイクテクニックは独学ですか?

そうです。もともと絵を描くのが好きで、模写が得意だったりするので、雑誌に載っている好みのメイクを見ながら、「こう塗っていけばいいのかな?」という感じで試してみたり。それでもうまくいかなかったらYouTubeを参考にしたりしながら、試行錯誤しています。

――『WaWian』にはメイクの仕方を詳細に伝えるページもありますけど、LGBTQ+の人で、メイクの方法に悩んでる人は多そうなので、そうしたページがあるのはいいですね。

取材・文/佐藤誠二朗
撮影/石橋俊治(プードル写真事務所トーキョー)