長谷部と長友が食事のテーブルでした会話

長谷部が代表を訪れた効果については、「全体の空気がピリッとするし、心身ともに整う。サウナに入ったみたいに、整ったなあって感じで(笑)」と楽しげに説明する。

「いや、ほんとにすごいパーソナリティですよ。精神安定剤ですね、長谷部誠は。僕はずっとくっついていましたから、めちゃうざがっていたはずですけど(笑)、幸せな時間でした」

そう話す長友と一緒にいることが多かったという相馬勇紀は、彼らベテランたちのやりとりを次のように明かす。

「(長谷部が)食事の時にテーブルに回ってきてくれるんですけど、(長友)佑都さんが『レベルの高い話をしよう』とか言って、二人で熱い話をしていることが多いんです。訊いていて楽しいし、普段聞かないような話もあって、いろんな発見があります。僕はすごく個人的なプライベートの話なんかもしました」

現役の元代表選手の長谷部が現代表選手たちに好影響を与える一方で、冒頭の言葉どおり、彼自身も多くのものを得たと言う。それを具体的に訊くと、長谷部はこう答えた。

「やはりチーム作りですね。それぞれのチームにいろんなアプローチがあるんですけど、日本代表のやり方も見せてもらいました。監督やコーチングスタッフの方ともコミュニケーションを取らせていただいて、『ああ、こういう作り方をしているんだな』と意図が見えました。選手ともたくさん話をして、『こんな関係性でやっているんだな』と学べたところもあります。もちろん選手として学んだものもありますが、指導者目線というか、より広い視野でまたサッカーを見られたと思います」