単なる無観客ライブは寒々しくてできなかった。

――ライブのアーカイブという意味では、2020年12月の「FROM THE FLOOR〜前略、床の上より〜」、そして2021年6月の「ON THE STAGE〜恐怖!!町のブタイ〜」と、電気はコロナ禍において二度の配信ライブを行われました。

 最初はもう2年前か。

――そのライブは、電気のお二人とサポートの牛尾憲輔(Agraph)さんと吉田サトシさんを含めた4人が、円形に向かいあって演奏されていましたが、あのステージ構成となった理由は?

卓球 誰もいない客席に向けてライブをする、単にお客さんを入れないだけの無観客ライブは、ウチらは寒々しくてできないんですよね。エアセックスって感じで(笑)。

 テレビ収録でさえ、ちょっと恥ずかしいもんな。

卓球 でもメンバーが向き合うステージ構成にすれば、お客さんがいないことが気にならないし、それに伴って色んな撮影もできるんで。だからいわゆる無観客ライブとは違う考え方での配信ライブだったんですよね。ちなみに、その二度のライブと、今回の「“and the ARENA〜みんなとみらいのYOUとぴあ~”」は繋がっていて。

「いつのまにか“目配せ”でお互いの気持ちがわかるようになって気持ち悪いなー、と」電気グルーヴ28年ぶりのアリーナライブのネタバレ_3

――というと?

卓球 一回目の「FROM THE FLOOR」はリキッドルームのフロアで、二回目の「ON THE STAGE」はZepp Hanedaのステージでやったんですよね。それで今回は「and the ARENA」。

 「客席」「ステージ」「アリーナ」という流れになってる。

卓球 そして「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」が尾道三部作。

 大林宣彦の。でもそれの流れは、俺らが今回の意味に込めてるホップ・ステップ・ジャンプとは違うじゃん(笑)。

卓球 今回、ウチらのファンクラブ「DGCC」会員が購入できるチケットに、これまで二回のライブ映像と副音声を収録したBlu-ray、DVD、配信が選べるバージョンがあるのは、そういう理由なんですよね。

 意外とそこに気づいてない人が多いんじゃないかな。

卓球 そもそも説明してないんだもんね。 俺も忘れてたもん。危うく言わずにこのインタビューは終わるところだった(笑)。

 ちなみに、アリーナ単独は28年ぶりなんですよね。この話が決まるまで、横アリでワンマンを行ったのは忘れてたぐらい昔の話で。