感染による出演キャンセルを救うのも、やはりアーティスト
――今年のサマソニは例年に比べてアーティストのキャンセルが多かった印象があります。代表的なところでは、YOASOBI、never young beach、カンダニエルが新型コロナウイルスに感染…。
そうですね。7月末から感染状況が拡大していたこともあり、コロナによるキャンセルについては僕らもある程度覚悟していました。そして、出演者の感染リスクはもちろんですが、僕ら運営側も主要スタッフが感染したときにどうバックアップするのかは直前まで議論して体制を構築し、神経を尖らせていました。
――さらにキャンセルとはなりませんでしたが、King Gnuはコロナで、マネスキンは海外での負傷によって、それぞれ前のフェス出演やライブをキャンセルしていたことから、出演が危ぶまれていましたよね。
日程の近いフェスやイベントでキャンセルをしたアーティストについては、マネージメントとも密に状況を確認していました。ただ、今年に関してはコロナ禍での開催ということから、直前でのキャンセルやメンバー変更などはある程度覚悟をして準備を進めていました。
予備の出演枠を確保するなどはアーティストさんへ失礼にあたるのでしません。キャンセルせざるを得ないとハッキリわかった時点で、代わりに出演してくれるアーティストがいないか動き出す。今回ビーチステージでnever young beachの代わりにスチャダラパーに急遽出演いただいたのは大変ありがたかったです。
――コロナとは別に、ザ・リバティーンズが入国ビザ取得できずにキャンセルとなったり、やはり大変でしたか?
リバティーンズはピート・ドハーティ抜きで来日していたこともあったので、今回もそういうかたちでの来日ができないかも模索したのですが、バンド側から「今のリバティーンズは全員が揃っていないとライブはできない」と言われ、それならばやむを得ないとキャンセルを発表することになりました。
ただ、バンド側も急遽日本のファンのためにライブを撮影してくれ、それを会場はもちろんネット配信でも流すことができました。
やはりフェスの意義として、会場で生のライブを観るに越したことはありませんが、こういったバンドの協力によっても今年は成り立ったところも大きく、アーティストの方々には非常に感謝しています。
取材・文・撮影/照沼健太