現在は登録者数が110万人を超える人気YouTuberのホモサピさんだが、本によると、子どものころは朝起きるのも勉強をするのも苦手で、自分はダメな人間だと思い込んでいた。それが救われたのは、進学した定時制高校のおかげだった。

「先生が良かったですね。やっぱりいろんな生徒を見てきているので、けっこう柔軟で熱心でした。たとえば遅刻してきても、中学なら頭ごなしに怒鳴られていたのが、まずちゃんと理由を聞いてくれる。そのあと怒られても、なにか愛を感じるんですよ。それまでの先生が悪いっていうんじゃなくて、僕は定時制高校の先生と相性が良かったと思います」

50冊の図鑑で蓄えた知識

――「獲って食べる」ことだけでなく、ホモサピさんの本や動画を拝見していて驚いたのは、動植物への広範な知識をお持ちなことです。たまたま見つけたカメムシの種類を即座に当てるとか。その知識はどうやって身につけられたんですか。

「図鑑ですね。動植物を中心に50冊ぐらい持ってますよ。なかには繰り返し読み過ぎてボロボロになったものもあります。小学生のころ宿題で、図鑑の好きなページをイラストや説明文をノートに模写して、自分がさらに得た知識を書き加えるということを毎日していたんですよ。2年間それを繰り返していくうちに、図鑑をまるごと覚えてしまいました。やっぱり読むだけでなく手で書き写すと覚えますね」

――調理も上手ですよね。大きな魚をさばいたり、味噌に砂糖を練り込んでタレを作ったり。その技術は?

「もともと料理好きなのと、高校生のころ中華屋さんでキッチンのバイトをしていたので。炒飯が得意です」

――ネットに動画投稿を始めたのは高1、16歳のとき。たまたま憧れていた有名YouTuberさんと出会い、彼の仕事を手伝うようになりました。そして高3で「ホモサピ」として本格的にYouTubeでデビューでした。

「ほんとYouTubeの世界があって良かった。なかったら今ごろ何をしていたんだろうって、ぞっとしますよ」