鈴蘭を救った言葉
――ゴルフとは…決別宣言ですね。
私としては、ゴルフもアイドルも二足の草鞋を履くのはどちらも100%で挑めないのではないか?と思ったし、ゴルフはお金もかかる事だからこそ「諦めます」と言ったのですが、父からそれは違うと言われて。
――芸能界で挫折したら、またいつでもゴルフに戻って来いと?
いえ、そうじゃなくて。ゴルフをやっていることは、芸能界でもきっと生きるからこのまま続けなさいと。お金のことは心配しなくていいから、芸能界とゴルフ2つとも頑張れって言ってくれたんです。
だから、正確にいうとゴルフとはお別れしたたわけじゃなくて、ずっと私を見守り心の支えになってくれた幼なじみというか…そんな存在なんです(笑)。
――確かに48グループ時代、横峯さくらさんばりの豪快な260メートルのドライバーショットを披露するなど、ゴルフはいつも山内さんの隣にいた感じがします。
本当に父には感謝です。あの時父が「ゴルフも頑張れ!」って言ってくれなかったら、今の私はないですから。それだけじゃありません。48グループ時代は、定期的にゴルフコンペを開催させていただき、そこでも多くの方に出会って支えられ、それが今に繋がっていると思うと、もう二度と凹んだり落ち込んだりはできないなって思います。
――ちょっと待ってください。二度と…ということは?
気がつきました? そうなんです(苦笑)。
5年目にAKB48からSKE48に移籍した当初、SKEに馴染めずにどんどん体調も悪くなって結果笑顔が少なくなり、握手会に並んでくれるファンの方の数もどんどん減っていくという……負のスパイラルにはまり込んでしまったことがあったんです。
――よく立ち直れましたね?
きっと側で見ていて、それじゃダメだと思ってくれたのかな。お客さんがたくさん入ったコンサートで、マイクを持った珠理奈(松井)が「SKE48にきてくれて、有り難う!」と言ってくれたんです。その一言にジーンときちゃって。
――それでやる気モード全開になった?
もうひとりAKB48の時からずっと一緒だった同期の美奈(大場)が、本気で私のことを叱ってくれたんです。遅刻はしない、握手会にもちゃんと出る、ちゃんとブログを更新する、いつでもどんな時でも笑顔を忘れない――それくらい、できるでしょう?って。珠理奈の言葉で閉じこもっていた殻にヒビが入って、美奈の言葉で殻が割れてそこでやっと目が覚めた感じでした。
――ゴルフがあったから、ファンがいたから、仲間がいたから、12年間頑張れた?
心からそう思います。スタッフのみなさんにも、ファンの方にも仲間にもいっぱい迷惑をかけてきた私ですが、48グループでやり残したことはひとつもないし、これからはゴルフを通して48グループにも、ファンにも仲間にも、倍返し3倍返しでみなさんからいただいた恩をお返ししていきたいと思っています。