地面師詐欺の手口
すぐさま、国土工営の顧問弁護士が調査に乗り出した。その結果、登記上、大阪の人物から2度にわたって当該土地が転売されていることが発覚。買主は、すべて地面師詐欺グループの法人や個人であることがわかった。
「地面師が転売を繰り返す理由は、足を付きにくくするためです。売買を繰り返すたびに履歴を追うのが難しくなるので、すぐに善意の買主に転売するのではなく、詐欺グループ内で売買を繰り返す手口はよく見られます」
さらに調査を進めると、所有者から購入したことになっている大阪の人物は、所有者の運転免許証を偽造して取引を成立させた模様。国土工営によれば、本人確認書類さえ偽造できれば、印鑑登録を新しいものにし、印鑑証明を取り寄せることができるという。その結果、所有者になりすまして不動産の売買手続きが可能になってしまうのだ。
後になってわかったことだが、登記名義を書き換えたのは、地面師詐欺グループの弁護士だったという。司法書士や弁護士など、悪徳な士業が地面師詐欺を先導することも少なくない。