人力なのに電動なみのラクチンさ! 日本人に最適化された自転車「ルートワン」の革新的構造_1
革新的自転車のルートワン。一見、普通の自転車に見えるが、前輪のフォークを取り付けるパイプ(ヘッドチューブ)が極端に長く、サドルの位置が後方にあり、ペダルがサドルの真下ではなく前方にある。この変わったフレーム形状が、今までにない力を生み出す

「日本人のための自転車を作りたい」という思い

コロナ禍で密集を避ける習慣が影響したのか、2020年度の自転車販売市場では過去最高を更新。事業者売上高ベースで2100億円を超えたという。特に電動アシスト自転車の売り上げが好調で、2010年代後半から販売台数・金額ともに右肩上がりだ。

そんな中、100% 人力だけど、電動アシスト自転車に迫る快適自転車が現れた。その名は「ルートワン」。なんとモーターはついていないのにスイスイ走る。この自転車が売れているのだ。

こちらはディスカウントストア「オリンピック」から分社した「サイクルオリンピック」が、2020年、「日本人に最適化した自転車を作りたい」という信念のもとに作り上げたオリジナル自転車。

購入者に乗り味を聞くと、「この自転車以外に乗りたくない」「坂道でも立ちこぎしなくて大丈夫」「ハンドルを引く力が、足に伝わるのを感じる」と絶賛している。販売店でも「父親が買って、子供にすすめるみたいな家族内リピーターが続出しています」と。

実際、筆者も試乗。「思っている以上に進む」「前傾にならず、視野が広く、こぐ姿勢がとっても楽」と感動。今までにない乗り味に驚かされた。

こんな革新的自転車をどうやって完成させたのか? 開発の陣頭指揮を執った社長の古屋直隆氏にお話を伺った。

人力なのに電動なみのラクチンさ! 日本人に最適化された自転車「ルートワン」の革新的構造_2
サイクルオリンピック社長の古屋直隆氏