大手アパレルブランドも続々参入
この追い風の中、多くのアパレルブランドがゴルフ業界に参入している。海外ブランドでは、ゼロハリバートン、渋谷109などで展開しているギャル系のリエンダ、セレクトショップ系ではナノ・ユニバース、量販系だとワークマンやしまむら。ユニクロはPGAツアープレイヤーでかつてのマスターズチャンピオンのアダム・スコットにウェアを提供している。
2022年9月にゴルフウェア業界に最後発ながら参入したのが、トップセレクトショップのユナイテッドアローズだ。ゴルフブランドのテーラーメイドゴルフとのコラボレーションも話題となっている。同社ストアオペレーションセンター副部長で、UAゴルフ(ユナイテッドアローズゴルフ)責任者の早稲田貴也さんに戦略を聞いた。
「2021年から今年にかけて50~70のブランドがゴルフウェア業界に新規参入していると言われています。私どもは以前に、ゾゾタウン限定アイテムとしてテーラーメイドさんとのコラボ商品を販売したことがありました。そんなご縁があって、今回もご一緒させていただきました。
テーラーメイドはゴルフブランドの世界的トップで、機能素材やスイングに対する対応などのウェアに関するノウハウはお持ちなので、私どもはファッションという観点から話し合いながら作りました。
ユナイテッドアローズの顧客は30~50代の方がメインです。ある程度の可処分所得があり、ゴルフをはじめとした趣味に金銭的余裕を持って向き合っていらっしゃる方々がターゲットになります。そういう方々はいわゆる名門コースでプレーされる機会も多いでしょうし、一緒にプレーする方も華美なものは気にされるのではないかとも思います。
ユナイテッドアローズのブランドイメージももちろんあります。コンサバティブなものも多いんですが、とにかくオーセンティックで洗練されたものを作りたいと考えています。ですから、多くのブランドがやっているような、大きなロゴを入れたりはしていません。街で着てもおしゃれ、にしようと。うちのシャツとパンツの上にジャケットを羽織ってゴルフ場に向かい、着いたらジャケットだけロッカーにしまって、そのままプレーできる。そんなコンセプトで作っています」
なるほど、用意されたサンプルを見ると、機能性はしっかり確保した上で、街着としても十分に通用するしゃれたラインナップ。ごてごてした派手さは皆無だ。
「ゴルフはもともとプライベートクラブが始まりで、そこは社交の場だったんです。男性でいえば、スーツを着るときにドレスコードがあるように、ゴルフにも服装は非常に重要なものだと考えています。だから、今回手掛けたシャツはタックアウトすると、あまりカッコよくない。タックインしてカッコいい作りにしてますから」
ユナイテッドアローズのゴルフウェア作りは、正統派を意識したもののようだ。