2022年7月16日から放送がスタートした土曜ドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)。

脚本は『東京ラブストーリー』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』『花束みたいな恋をした』といった数々の名ドラマを手がけてきたストーリーテラー・坂元裕二。

ファンも多い坂元脚本の妙は、その味わい深いセリフにある。

主要キャラ4人に焦点を当てながら、1〜3話までの名言を抜粋してご紹介。

「負けてる人生って、誰かを勝たせてあげてる人生です」

境川警察署の総務課職員である馬淵悠日(仲野太賀)。捜査権がない彼には、表立った事件の捜査はできない。

しかし、ある日、長期入院していた男の子が、病院から転落死した事件について耳にする。その事件について同僚と話をしていると、ふとこう聞かれるのだ。

「馬淵君はさ、刑事になりたかったとか、ないの? 私のように40年間ポスター丸め続けて、負けっぱなしの人生でいいんですか?」

それに対する悠日の返答が見出しのセリフだ。

「負けてる人生って、誰かを勝たせてあげてる人生です。最高の人生じゃないですか」

ちなみに、彼は2話でも「自分は、誰にも勝たなくていいんです。できる限り皆さんに勝ってもらいながら、生きたいと思ってて」と口にしている。自分よりも他人を優先するきらいがあるようだ。

常に笑顔を崩さず、怒ることもなさそうな悠日。しかし、彼には無視できない要素がいくつかある。

・兄の朝陽(毎熊克哉)は殉職している(どうやら誰かに殺された可能性が高い)
・警察が嫌いらしい
・朝陽を殺す動機があると思われている
・両親に存在を軽視されている

シンプルに闇深いキャラクターだ。もし彼が本当に兄殺しの犯人だったら? 負けてる人生に甘んじていられるほど、彼はいい人なのだろうか。