「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」

ここまで読んでいただいた方からすると、「結局何が言いたいの?」と思ったかもしれません。結論としては、メリット・デメリットを考慮した上で、それでも持ち家が欲しいなら買えばいいということです。

誰の言葉か不明ですが、「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」という言葉があります。金利が上がるからその前に買うというのは後者です。

あなたは家を買うことで得られる価値をなんだと思いますか?

それは価格に見合うものでしょうか? それがイエスなら、買えばいいのです。資産価値とか考えずにシンプルに「消費財として家を買って得られる効用が価格以上になると思うなら買う」というシンプルな基準でいいと思います。

資産価値についても、あまり気にしなくていいというのが僕の意見です。事実、僕たちの親世代は家は資産と思って、多くの人が家を買っていますが、ご自身の親の家を欲しいと思っている人がどれくらいいるでしょうか? 現実問題として、資産と思って買ったはずの親の家の処理に困る人が多く、「負」動産と呼ばれるほど負の財産となっている人も少なくありません。

不動産業界に精通し、不動産投資に明るいのであれば別ですが、普段は投資に興味もない人が、いきなり「家は資産になる」という理由を持ち出して購入に踏み切るのは自己肯定バイアス以外の何物でもないでしょう。

決して安い買い物ではないので、価格や金利と言った理由で焦って買って後悔することだけは避けておきましょう。

文/井上ヨウスケ

#1 マジで年金破綻を信じているとヤバい理由【30代で知らなきゃアウトなお金の授業】