格闘技には「真の友情」を育む力がある
格闘技には「真の友情」を育む力があり、そんな気持ちの通じた仲間の試合はどんなハイレベルなものよりエキサイティングで面白い。杉山の言葉に、K太郎も同調する。
「仲間の試合を見ていると、負けた時は残念ですけど勝った時はすごく嬉しいし、自分の試合以上に感情移入できますね」(K太郎)
ジム会員の人たちにとって普段指導を受けるK太郎や杉山の試合はなおさらであり、きっと同じ気持ちだろう。
「だいぶ試合から離れているのに、まだそういう目で見てくれているのが嬉しいですね」(K太郎)
「自分が思ってるより、まわりに自分たちのことを思ってもらっているということにちょっとビックリしたりします」(杉山)
臆することなく淡々と試合に臨んで見えるK太郎だが、実際はオファーの時からひどく緊張しているという。そんな意外な一面も見せながら、会員たちの後押しを受けて、「また試合を見れそうですね」と促すと、K太郎は「そうですね」と穏やかに笑った。
取材・文/長谷川亮 撮影/高木陽春 写真提供/RIZIN FIGHTING FEDERATION