音楽は映画でも十分に楽しめる!
夏といえば、音楽ファンには、なんといってもフェス! ここ2年、コロナ禍によって中止や規模縮小を余儀なくされてきたが、今年は海外アーティストも来日して参加する開催形式が復活。洋楽好きとしては、これはホントにうれしい。
もちろん、パンデミックはまだ予断を許さない状況にあるし、音楽は好きだけれど、フェスのような密の場に行くのは、ちょっと……という方もいるだろう。そこでここでは、映画でコンサートを楽しめる作品を紹介。とりわけ、クライマックスのライブ・シーンでグッとくる映画をチョイスした。物語ともども、そのアツさを体感しよう!
今年の音楽映画の傑作といえばこれ
『エルヴィス』(2022) Elvis 上映時間:2時間39分/アメリカ
まずは元祖ロックスターであるエルヴィス・プレスリーの伝記ドラマ。本作では、ゴスペルによってブラック・ミュージックに目覚め、ロックンロールの才能を開花させたエルヴィスの波乱の生涯を、悪名高きマネージャー、トム大佐との葛藤を軸にして描いている。
劇中にはいくつか印象的なコンサート・シーンがある。無名時代の若きエルヴィスが、1950年代には斬新……というか煽情的すぎた、足腰をくねらせて歌い、ギターを弾くパワフルかつセクシーなパフォーマンスからして圧倒的。ラスヴェガスのホテルでの初演、エルヴィスが自身でプロデュースした渾身のライブも素晴らしい。そして何より、クラマックスでフィーチャーされる、名曲『アンチェインド・メロディ』の晩年の熱唱は圧巻! 生きることに疲れ果て、なお歌い続ける、そのボーカルの切なさを感じ取ってほしい。