世界的な木材不足で新築が高騰
「ウッドショック」とは、世界的な木材不足から木材の価格が高騰し、一戸建ての不動産価格高騰や工期遅延が起きている現象だ。下記グラフのように、2021年2月頃を起点にあらゆる木材の価格が高騰している。
ウッドショックの要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとした「世界的な住宅需要の向上」や「コンテナの海上輸送運賃の上昇」にある。そもそも日本は木材自給率が約40%と低く、輸入材に依存している。ウッドショック後は、国産材にも高騰が見られる。
コロナ禍で「トイレがない」と話題になったことも記憶に新しいところだ。木材のみならず、世界的に物流や住宅設備の生産が停滞したことも、日本の一戸建ての不動産価格高騰や工期遅延の要因となっている。
工務店同士で建材や設備のマッチングできるネットワーク「365eco」を運営するBEコネクト社長の柗木淳一氏は、今の状況について次のように語る。
「木材のみならず、最近は上海がロックダウンした影響で給湯器なども国内に入ってきません。納期遅延や納期未定の住宅設備だけ、別契約で対応するケースも見られます。木材や設備の高騰分が建設費に転嫁されるのは避けられないでしょう」
柗木氏によれば、2022年初めには、コロナ禍で調達しにくくなっていた設備や建材について、だいぶ納期の見通しが立つようになってきていたという。
しかし、ここにきて改めて、ウッドショックの再燃と深刻化、長期化が懸念される状況になっている。その要因となっているのは、ロシアによるウクライナ侵攻だ。