『エマニエル夫人』が大ヒット!
1975年のもうひとつの潮流は、ソフトポルノの金字塔である『エマニエル夫人』(1974)だ。「『エマニエル夫人』ハイライト/シーン完全再録!」(2月号)、「『エマニエル夫人』に続く文芸ポルノをさぐる」(4月号)、「『続エマニエル夫人』はこんな映画になる!」(7月号)、「幻の超ポルノ映画『ディープ・スロート』全公開!!』(9月号)、「『続エマニエル夫人』のシルビア・クリステルを追って!』(10月号)、「SEXロマンの双璧『続エマニエル夫人』&『O嬢の物語』」(11月号)、「パリの『続エマニエル夫人』完全取材」(12月号)と毎月のように特集を掲載。9月号には主演のシルヴィア・クリステルを表紙に迎えている。
『エマニエル夫人』は一般映画としては衝撃的な内容で、女性のための官能映画として宣伝されたことも手伝って、『タワーリング・インフェルノ』『大地震』に次ぐ日本配給収入3位の大ヒットとなっている。
そして、これらのヒットのおかげで、史上はじめて、洋画の入場者数が邦画を超える逆転現象が発生。そしてこれは「ロードショー」が1972年の創刊から最新洋画情報を報じ続けてきたことと無縁ではないだろう。
なお、75年後半のカバーは、半身の写真ばかり。上半期のような全身像では、スターの顔が小さくなってしまうことを懸念したか…? 表紙を飾ったスターは以下の通り。
1月号 ジュリアーノ・ジェンマ
★初登場。『夕陽の用心棒』(1965)をはじめとするマカロニ・ウエスタンに出演して、世界的なスターに。日本では彼の名を冠したスクーター「ジェンマ」が発売されるほどの人気だった。
2月号 リンダ・ブレア(2月号)
★初登場。『エクソシスト』(1973)でアカデミー助演女優賞にノミネート。
3月号 シドニー・ローム
★初登場。アメリカ出身だが、ヨーロッパ映画を中心に活動。『ポランスキーの欲望の館』(1972)『個人生活』(1974)『危険なめぐり遭い』(1975)など。
4月号 ノラ・ミャオ
★初登場。
5月号 ジャクリーン・ビセット
6月号 ナタリー・ドロン
7月号 オリヴィア・ハッセー
8月号 シルヴィア・クリステル
★初登場。『エマニエル夫人』でブレイク。『卒業試験』(1974)『華麗な関係』(1976)『エアポート’80』(1979)などで、セクシー・スターとして鳴らした
9月号 シドニー・ローム
10月号 デボラ・ラフィン
★初登場。『エーゲ海の旅情』(1973)でデビュー。『ダブ』(1974)『いくたびか美しく燃え』(1975)『ラスト・レター』(1980)など。
11月号 オリヴィア・ハッセー(11月号)
12月号 ジャクリーン・ビセット