コロナで加速した吉原の「二極化」

こうした状況を、G着(=ゴム着用)店の従業員はどう見ているのだろうか。

「当店ではNSのサービスは一切、提供していません。確かに吉原ではNS店が増えましたが、そのせいで『NS店では怖くて働けない』と、当店に移籍してくる女性も多いんです。同じように、男性客でも『NSには抵抗がある』と感じる人は多いから、依然、G着には一定のニーズがあります。コロナ禍の2年間で、吉原はNS店とG着店の二極化が一気に進んだ印象ですね」

ともあれ、NS店の急増により懸念されるのは、「ノースキンによる性的サービスを受ければHIV、梅毒、クラミジアなどの性感染症のリスクが格段に高まる」(前出・杉山氏)という点だ。

一般的に風俗店では、店側が在籍女性に性病検査を受けるように指示しているが、毎回の検査費は通常、1回1万円以上で、女性側の負担となるケースが多いという。

「高級店では在籍女性に月2回以上の定期検査を義務付け、陰性を証明できない場合には出勤や入店を認めないというルールを設けている店も少なくありません。高級店はともかく、女性の実入りが少ない中級店や大衆店の在籍女性が、本当に実費負担で定期的に検査を受けているのかというと不安が残りますし、利用客が事前にそれを確認できる術はありません」(杉山氏)

専門家が「性感染症の温床に」と警鐘。ソープ業界で〝NS店〟急増のワケ_2
吉原にある女性専用の性病検査クリニック。昨今は性風俗サービスの利用者、従事者による感染も広がっているとみられている

杉山氏は、「もしもNS店に行ってしまったら、必ず検査にも行くべき」と注意を呼びかける。

「淋病は尿道が痛くなることが多いので本人も分かりやすいですが、梅毒やクラミジアなどは自覚症状がない場合もある。無自覚に奥さんやパートナーに感染させたら不妊や流産につながるリスクもあります。性病検査は泌尿器科などでも保険適用で受けることができますので、身に覚えのある方は、無症状でも検査することをオススメします」

夏を目前に開放的な気分になるこの時期だが、くれぐれもご用心を。