絶望シーン2:野菜炒めが水っぽい

よく作るおかずに「野菜炒め」があります。野菜室を一掃したいときに何も考えずに作れるお助けメニューなので、つくづくこの料理の懐の深さを感じます。
おそらく作ったことがない人もいなければ、今後二度と作るまいと思っている人もいないポピュラーな料理です。しかし、このシンプルな料理をおいしく仕上げるのは意外と難しいのです。定番料理なのにおいしくできないのは、じんわり落ち込みます。

一番よく聞く失敗ポイントは「水っぽくなる」ことではないでしょうか?
この解決策はいろいろありますが、炒め方と味つけのタイミングを注意するだけでかなりおいしくできます。

まず炒め方は、肉が最初で野菜は後です。
テフロンのフライパンなら油は必要ありません。それ以外は薄く油をのばしたらスタンバイOKです。中火で点火したら熱くなるのを待たずに肉を広げます。
そうしたら決して触らず、肉の上に軽く塩こしょうをして焼き色がつくのを待ちます。
肉だけに軽く塩こしょうをするのは、肉に下味がついていると全体の味がまとまるからです。両面に焼き色をつけたら野菜は固いもの(にんじんやピーマン、キャベツの芯)などを先に入れてさっと炒め合わせ、次にやわらかい葉物やもやしを入れます。そして「まだ固いかな……」くらいで調味料を加えます。

最後に調味料を入れるワケは、炒め始めだと野菜から水分が出てしまうからです。その調味料はあらかじめ混ぜて準備しておくと焦らず仕上げができます。全体に手早く絡めたら火を止めてでき上がりです。
しかし、料理は一期一会ですから、野菜の状態やちょっとした火の具合などで同じように作っても思い通りにできない場合もあります。

最後に、水っぽくなってしまったときのおすすめの救済策が二つあります。
一つは、最後に少量の水溶き片栗粉(片栗粉と水を同量で混ぜたもの)を混ぜて水分をとろみにしてしまう方法。もう一つは、少しの水分なら「すりごま」か「削り節」をふりかけてなじませる方法もあります。