18曲で21分! アルバムに凝縮した思い
秋にはUSツアー、来春にはUK~ヨーロッパツアーが組まれているおとぼけビ~バ~。この2年は配信も含めた国内でのライブ、そして新たな音源の制作に注力してきた。そして完成したのが、18曲で21分という、嵐のように過ぎ去りつつ心に棘を残していくアルバム『SUPER CHAMPON』である。歌詞担当のあっこりんりんが、自身の母性に疑問を抱いた「アイドンビリーブマイ母性」、女性が率先してサラダを取り分けるムードに反発した「サラダ取り分けませんことよ」、タイトルそのままの「ヤリチン武勇伝ちゃう口を慎め」といった、過激だがユーモアに富んだ名フレーズが満載だ。まずはこのアルバムについて、メンバーに話を聞いた。
――18曲21分のアルバム『SUPER CHAMPON』がリリースされましたが、国内外の反響はいかがですか?
あっこりんりん(以下、あっこ) 今回もいつも通り、自分が面白いと思ったことを歌にしているんですけど、海外では、社会的なメッセージとして受け取られていることが多くて、ちょっとビビっています(笑)。
――女性の代表ではなく、歌詞担当のあっこさんの個人的な思いを歌にしていると。
あっこ 私の思いが結果として社会的なものになっている自覚はありますが、過激に世直しを訴える演説のつもりもなければ、世間をアジテーション(扇動)するつもりもないんです。もちろん曲に込めたメッセージは伝えたいですけど、音楽として楽しんでもらえたらありがたいですね。
――よしえさんは、今回のアルバムに対して達成感はありましたか?
よよよしえ(以下、よしえ) 『いてこまヒッツ』(2019年)までは、社会人として働きながらの活動だったので、限られた時間でどこまでできるかという作り方でした。今回は会社を辞めて、本来は海外ツアーに行くはずだった期間もコロナで延期や中止になったので、音源制作にすべての時間を費やすことができたんです。
――パンデミックによる自粛期間を注ぎ込むことができたと。
よしえ メンバーそれぞれが出したアイディアをガンガン詰め込んでやれたので、本当にお気に入りのアルバムになりましたね。
あっこ その点はコロナ禍で唯一、良かったですね。海外に行けない中でみんなが自主練習を頑張ってくれて、演奏力がめちゃくちゃ向上しました。私の頭の中にあるサウンドを具現化してもらう上での選択肢は圧倒的に増えましたね。それが楽曲のクオリティアップになったので、メンバーには感謝しかないです。
――あっこさんの頭にあるイメージがより具体化されていったということですね。
あっこ ただ、そこに私のボーカルが追いついていかなくて、時間がかかりました。ライブとは違う、音源ならではのものにしたいと思っているので。完成したものは、ライブとの違いにも自信があります。