YouTube撮影の思い出が色濃く残っている
――YouTube動画の撮影はいかがでしたか?
岸井 ゆりちゃんが底辺YouTuberだった最初の方の動画は、いたって普通。そこが普通だからこそ、変わっていくことのいやらしさが伝わると思うんです。本当におもしろいと思って、がんばって考えて撮影したんだろうなと感じられるように、すごく大事に演じました。
ムロ あそこは大事だよね。物語としても、演じる側としても。
岸井 とうもろこしを一列抜かしで食べたり、トーテムポールを使って縄投げをしたり、フラフープをやりながらナポリタンを食べたり。本当に一生懸命やりましたからね。NGも多かったんです。何回も何回もやって、ナポリタンを食べられたときの達成感。映画で使われている「食べられたー!」って喜んでいるシーンは、素のリアクションでした。
ムロ 本当にいろんなことをやったもんね。
岸井 映画では数秒に編集されているけど、ちゃんと朝早く起きて支度して、ちゃんと足ツボバドミントンをやったり(笑)。本当に楽しくて幸せだったなって思うくらい、ふたりでいい時間を過ごせました。もしもムロさんと岸井ゆきのとしてすごくコミュニケーションを取っていたら、あれが大事な思い出になっていなかったかも。役を通してしかコミュニケーションを取っていなかったからこそ、あの思い出が色濃く残っています。
――普段、YouTubeを見る機会は?
ムロ 前は見ていましたよ。焚き火動画とか、眠れないときに。当時は考え事をしたい時期だったんでしょうね。でもそれを見ながら考え事が深くなっていくと飲みすぎちゃうから、今は卒業しました。でもドリフの昔のコントとかは、たまに見ることはありますね。
岸井 私は全然見ないんです。海外の映画のインタビューとか、翻訳されているものを見つけて見たりはするけど、それくらいかな。あまり開かないですね。
ムロ 同級生や友人の子供たちの話を聞くと、家に帰ってテレビをつける子ってほとんどいないんですよね。パソコン、もしくはタブレットでYouTubeを見たり、ゲームをやっているんですって。マジかあ……ってなります。そことどう戦うか、映画やドラマを作っている僕たちも頭を柔らかくしてやっていくべきだなって思いますね。