背後を取られないのが鉄則

防犯の基本はとにかく不審者に背後を取られないようにすることです。
夜道を歩いても駅で電車を待っている時も、エレベーターに乗り込む時も後ろに不審者を立たせてはいけません。犯罪者はターゲットと視線を合わせなくてすむので、前より後ろからのほうが襲いやすいからです。背後に不審な人がいないか、必ず確認しましょう。

よく「自分は大丈夫」「駅から自宅まで徒歩5分だから心配ない」という人はいますが、油断していると誰でも犯罪に巻き込まれる可能性はあるのです。
自分の身は自分で守るため、まずは防犯の講習でも一番質問が多い、外出時や通勤・通学の帰宅途中に不審者と遭遇した場合の対策について解説します。

不審者とは20m以上距離を置く

不審者に狙われやすい人は、意識が周りに向いていない人です。
イヤホンで音楽を聞いている、スマホに集中している、ダラダラ歩いているとターゲットにされやすいです。ヒールやタイトスカートなど動きにくい服装をしているかどうかも不審者はチェックしています。夜道は、スマホは手に持つくらいにして、早歩きで自宅に帰るようにしましょう。

通勤、通学で歩き慣れた場所でも夜道のひとり歩きは危険です。後ろをつけられているような気がしたら、必ず一度は振り返りましょう。振り返ることで相手に気づいていることを分からせることができ、犯罪の抑止効果になります。
「疑うなんて失礼では?」と思ってしまう人は、ショーウィンドウなどのガラス越しに確認するか、人通りがあれば靴の紐を結び直してみるなどして立ち止まり、追い抜かせてやりすごすようにしましょう。

自分が振り返ったら相手も立ち止まる、抜かさせたのに相手が立ち止まっているなら、ほぼ狙われています。
その場合はとにかく全力で相手から20m以上離れましょう。
さまざまな犯罪心理学の研究よって20m以上先に逃げると犯罪者の多くが諦めると言われています。
これが5mくらいになると、男性が大股で素早く3歩進めば、簡単に捕まえられてしまいます。真っ直ぐ前に逃げようが、斜めに逃げようが完全に相手のテリトリー内です。
20m以上を空けると相手が走ってもなかなか追いつけない距離になるので、全力で逃げるようにしてください。

「F・S 8-19」の意味とは? 水道メーターのマーキングに潜む犯罪者の視線_1
5mくらいだと犯罪者が行動を起こす決意になりやすい