売春か自由恋愛か…あいまいな規制の“線引き”
取材した男性の多くが、記者に声をかけたり、値段交渉をしたりしてきたものの、「取材」と伝えると口を閉ざしたり、関与を否定した。
一方、取り締まりの強化をさほど警戒する様子もなく、警察の動きを冷静に眺める“ベテラン男性”の姿もあった。
大久保公園周辺に30年以上通っているという70代の男性は、こう話す。
「そもそも『売春禁止法』ではなく、『売春防止法』ですからね。これだけ話題になっちゃうと、警察も取り締まっている姿勢を見せなきゃいけないんですよ。
私服を着て最初から摘発することを目的に動いている警察官もいますが、ずっと見ていれば分かりますよ」
警察の取り締まりを意識しているのは、女性側だけではないようだ。大久保公園周辺に頻繁に足を運ぶという50代男性は、過去に女性とホテルから出たところで警察官に職務質問された経験があるという。
しかし、買う側の勧誘等への新たな規制については、線引きの曖昧さを指摘する。
「買う側が罰せられたら、やばいです。でも、どうやって線引きするんだろうとは思いますよ。『交通費を渡しただけです』『お茶をして、たまたま恋に落ちました』みたいな話にもできるわけですから」
実際、ホテル街を行き交う男女が、必ずしも売買春を目的としているとは限らない。近くで働く風俗店勤務の男性は、最近の変化についてこう話す。
「自分が見ている限りでは、若い男の子が若い女の子に声をかけて、そのままホテルに入っていく姿が増えていますね。地方から遊びに来た人が、『せっかく歌舞伎町に来たんだから、記念に声をかけてみよう』みたいなこともあるんじゃないですか」
では、路上で“立ちんぼ”の女性を探す中年男性については、どう見ているのか。
「そういった女性を買う中年男性が、うちの店も利用するかというと、それは、働けない(若い)年齢の女性を好むような、“そっち側”の人の話になりますね……。歌舞伎町というのは、やっぱり、どう考えても怖いところなんです」(前出・風俗店従業員)
近隣のサービス業に勤務する20代男性は、取り締まりが強化されて以降、“立ちんぼ”だけでなく、彼女たちを探す男性側の変化も冷静に見ている。
「規制が厳しくなってから、女の子たちも建物の隙間みたいなところに座るようになって、逆に言うと、おじも目立つ環境になったと思います。なんでそこまでしてオフで頑張ってるんだろうと思いますね」
この日、記者が水商売関係者らに街の変化を聞いたところ、法改正の議論が進むなかでも、「人の出入りに何も変わりはないですよ」と口をそろえていた。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













