それでも宝くじを買いたくなる心理
宝くじ部の担当者が説明する
「売れ残った宝くじも抽せん対象ですが、これはジャンボ宝くじでは賞金条件がユニット単位で決定されているためです。『100000番』から『199999番』までの10万枚を1組としており、組の数によって1ユニットの枚数が決まり、ユニットごとに当せんが発生します」
今回のサマージャンボプレミアムも1ユニット1000万枚という設計で、賞金体系はあらかじめユニット単位で設定されている。実際に何枚売れたかに応じて「当たり番号だけを販売済みの券から選び直す」という仕組みではない。
では、抽せん前に、「この番号は売れた」「これは売れ残った」という情報を把握しているのだろうか。この点について、みずほ銀行宝くじ部は、こう回答した。
「恐れ入りますが、本項目につきましては事務手続に関する事項であり、非開示のため、お答えいたしかねます。なお、抽せんは厳正に実施しております」
売れ残った10億円――。
こうしたニュースを見ると、「結局、当たらないのでは」と宝くじから距離を置きたくなる人もいるだろう。それでも毎年、多くの人が宝くじを買う。
なぜなのか。
行動経済学では、その理由の一つとして、人は極端に小さな確率であっても「起きたら人生が大きく変わる出来事」を実際の確率以上に魅力的に感じやすいことが指摘されている。宝くじはまさに「当たる可能性は低いが、当たったときの利益が桁違いに大きい」商品の典型だ。
500円で買っているのは、紙の券だけではないのかもしれない。
「もし8億円当たったら会社を辞めよう」「家を買おう」「家族を旅行に連れていこう」――抽せん日までのあいだ、現実には簡単に手に入らない未来を想像できる。
今回、10億円の“夢”は誰にも買われないまま終わった。
だがその事実さえ、「もしかしたら、自分が買った一枚だったかもしれない」と思わせる。宝くじが売り続けている最大の商品とは、当せん金そのものではなく、その「もしかしたら」なのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部













