どこからカスハラになるのか…専門家の見解

では、「不足している商品を自宅まで届けてほしい」と求めること自体は、カスハラになるのか。

この点については、明確な回答が返ってきた。

「お客様に完全な商品をご提供することは店舗の責任であると考えています。そのため、店舗側の不備に対して不足商品のお届けをご希望されることに対しては、カスハラと判断はしません」

つまり、少なくとも「届けてほしい」と申し出ること自体を、カスハラとみなしているわけではない。

ただ、実際の店舗でいつでも希望どおりの対応ができるとは限らないだろう。

ファストフード店などでは、限られた人数で店舗を回しているケースもある。すでに店を離れた客のもとまで、不足した商品をすぐに届けるのが難しい場合もあるはずだ。また、入れ忘れがあったかどうかを、その場で店舗側が確認できないケースも考えられる。

テイクアウトでは注意が必要(画像/Shutterstock)
テイクアウトでは注意が必要(画像/Shutterstock)

「届けてほしい」と申し出ること自体と、その要求をどこまで、どのような形で求め続けるかは、利用者側も考える必要がありそうだ。

では、どこからがカスハラになるのだろうか。

日本クレーム対応協会の代表理事・谷厚志氏も、「自宅まで届けてほしい」と伝えること自体については、「カスタマーハラスメントには該当しません」と話す。

谷氏によれば、状況によっては客の指定場所まで不足商品を届けるマニュアルを整備している企業もあるという。

ただし、大切なのは、その“求め方”だ。

「要求する際に必要以上に威圧的、感情的な態度は控え、落ち着いて不足分を伝えることで、双方が気持ちよく解決に向かえるようになります」

店側にミスがあったとしても、それを理由に客側の言動が何でも許されるわけではない。

谷氏は、「何をやっている!」などの恫喝や、「サービスしろ!」といった過度な要求については、カスハラに該当すると指摘する。