北朝鮮はもはやロシアの「弾薬庫」にとどまらず

ロシアは北朝鮮兵を訓練し、北朝鮮製ミサイルを戦場で使う。北朝鮮は攻撃結果を製造現場へ戻し、次の兵器を改良する。制裁下で大量生産を続けてきた北朝鮮の製造能力も、ロシアにとって無視できない資源となっている。

北朝鮮の軍備工場(写真/共同通信社)
北朝鮮の軍備工場(写真/共同通信社)
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見返りにロシアは、24年11月以降、北朝鮮へ短距離防空システムや高度な電子戦装置を提供し、少なくとも1両のパンツィリ型防空車両を引き渡したとMSMTは報告した。

ウクライナ情報筋は、北朝鮮がさらに射程の長いS-400防空システムを要求していると指摘する。

北朝鮮の空軍は、比較的新しい機体でも基本設計が冷戦期にさかのぼるミグ29などが中心だ。新鋭戦闘機を多数導入するより、平壌や核・ミサイル施設、軍指揮部の周辺に強力な地対空ミサイル網を築く方が現実的な選択となる。

S400が供与されれば、米韓軍は北朝鮮の防空網を制圧するため、より多くの航空機や電子戦装備、精密誘導兵器を投入しなければならない。北朝鮮が航空戦で勝たなくても、米韓側の作戦を難しくするだけで軍事的な意味がある。

ウクライナ侵攻から4年半。北朝鮮がウクライナ戦争を“現代戦の学校”として利用し、ロシアとの相互依存関係を深めていることは、日本を含む東アジアの安全保障環境に大きな影響を与えている。

北朝鮮兵は無人機の操縦だけでなく、標的の捜索、攻撃部隊との連携、電子妨害への対処、攻撃結果の分析まで学ぶ。

弾道ミサイル、防空、電子戦などの実戦経験はいずれ朝鮮半島へ持ち帰られる。北朝鮮はもはやロシアの「弾薬庫」にとどまらず、戦争を共に遂行し、兵器と部隊を改良する協力国へと変わりつつある。

文/東銀座コンフィデンシャル