温かなスープに込めた「ふふふ」の願い

たどり着いた答えは、「温かなスープを届けること」だった。

おなかを満たすだけではない。「あなたは一人じゃない」「応援している人がいる」というメッセージを、1杯のスープに託して届けたいと考えたのだ。

そのきっかけの一つは、妻・麻純さんの作るスープだった。麻純さんの作るスープはとても美味しく、「それが結婚を決めた理由の一つにまでなっていた」と青木さんは言う。

この温かさを、今まさに病室で闘っている家族に届けたい。コロナ禍による様々な障壁はあったものの、病院や行政の協力もあり、付き添い入院する家族を支援するための食事販売キッチンカー「fufufu-soup」の事業が始まった。

夫婦で始めたキッチンカー「fufufu-soup」(写真/青木佑太さん提供)
夫婦で始めたキッチンカー「fufufu-soup」(写真/青木佑太さん提供)

「fufufu-soup」という名前には、3つの「ふ」に込めた願いがある。「フーフー」とスープを冷ましながら「ふっ」と肩の力を抜き「ふふふ」と笑顔になってほしい。そんな優しさが込められている。

湯気を立てるカップを両手で包み込むと、張り詰めていた気持ちが少しだけほどけていく。それは、青木さん自身が付き添い生活の中で最も欲していた時間でもあった。