高市政権に決定的に足りていないもの

それは歳出削減である。

減税と積極財政は同じではない。税を下げ、その分だけ政府支出を削れば、国債を増やさずに国民の負担を軽くできる。政府から民間へ金と決定権を戻す改革である。

一方、税を下げながら政府支出も増やし、不足分を国債で埋めるのが積極財政だ。政府の規模は小さくならない。現在の納税者から取る代わりに、将来の納税者から借りるだけである。

高市政権は「責任ある積極財政」を掲げる。だが、私は積極財政そのものが間違っていると考える。政府支出を増やせば成長が生まれ、税収増で借金を処理できるという考え方は、都合の良い前提に頼っている。

政府は投資の失敗に責任を取らない。自民党政権は、クールジャパン、少子化対策、AI、半導体、脱炭素、コロナ対策、地方創生と、聞こえの良い名目で予算を広げてきた。

失敗しても政治家の財布は痛まない。事業は「検証中」とされ、別の名前で続く。民間なら撤退する事業も、政府では前年実績が翌年予算の根拠になる。