「毎週のように起きている」見えない遭難

警察が1月に公表した同署管内の遭難事案は3件(上記2件と、11日の自力下山1件)だ。しかし、これは氷山の一角に過ぎないと、同署関係者は明かす。

「警察が認知・出動していない事案を含めれば、毎週のように発生しています」

警察に通報が入る前にスキー場のパトロール隊が発見・救助し、事なきを得ているケースも少なくないという。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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トラブルは新潟に限った話ではない。例えば、世界的スノーリゾートである北海道でも深刻化している。

1月26日午後6時30分ごろ、ニセコアンヌプリ国際スキー場とニセコモイワスキーリゾートの中間付近で「コース外でバックカントリーをしていた知人が身動きが取れなくなった」という110番通報があった。

遭難したのは41歳の中国人男性で、食料を持たずに夜の雪山に取り残された。その後、捜索に入った警察と消防により無事救助された。男性にケガはなかった。

北海道警によると、1月1日から21日までのわずか3週間で、道内のバックカントリーに伴う遭難者は29人に上る。そのうち約9割にあたる26人が外国人で、外国人観光客による遭難が突出して多い異常事態となっている。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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スキー場のコース外滑走による遭難はそのうちどの程度の割合を占めるかは不明だが、関係者は「決して少なくない数字だ」と明かす。

背景にあるのは、やはり外国人観光客の増加だ。スキー場が多い都道府県の観光協会によると、特に中国系の観光客が増加傾向にあるという。

前出の八海山スキー場の担当者も取材に対し、「数字的なデータはすぐに出ないが、去年に比べて来場者に占める外国人の割合が増えている実感がある」と語る。

スキー場側によると、コース外に出る理由はさまざまだ。

「完全に(禁止区域だと)分かっていて行く」悪質な者もいれば、「初めて訪れて地形が分からず、他人のシュプール(滑走跡)につられて意図せず出てしまった」という者もいるという。

「本人が『道に迷った』と言えば、故意かどうかの内心までは確認できません」とスキー場担当者は明かす。